第六話 死の恐怖
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っっ」
ダッカーの叫び声が俺の耳に届いた。
「嫌あああああぁぁぁぁぁ!!」
部屋中にサチの悲鳴が響く。
今この部屋には俺を含め三名しかいない。
だが、確実にこの部屋にはまだもう一人いる。
三人を殺したプレイヤーが。
俺は息を整えてその姿を探す。
「そこっ!!」
突然セイバーが飛び出し、部屋の入り口付近へと切りかかる。
そこに何者かの気配を感じたらしい。
だが、斬撃は何かに弾かれてそこに届くことはなかった。
すると、その空間だけが歪みだし、人の形を象り始めた。
徐々にはっきりとその姿形が認識できる。
ゾクッッッ
―――――突然、背筋が総毛だった。
奇妙な悪寒。
構える間もない。
この感覚は、セイバーを召喚した時に似ている。
それに思い立った瞬間、意識が凍りついた。
……緊張で息が詰まる。
俺達が入ってきた入り口付近にいるのは一人の男。
燃えるような衣装に身を包んだ鋭い目つきの偉丈夫。
「ほう、これに気付くやつがいるとは、なかなか稀有な存在もいたものだ」
恐れで思わず指が痺れるような感覚が起こる。
殺意とはこれほど明確に、
濃密に漏らす事ができるものなのか。
「だが他は脆弱にも程がある。素人とはいえ、ここまで非力では木偶にも劣ろう」
その男は“死”そのものだった。
「鵜を縊り殺すのも飽きた。多少の手ごたえが欲しいところだが……」
一瞬でも目を離せば、命を絶たれる―――!
「小僧共、お主らはどうかな?」
「お前…サーヴァントか……」
絞り出すようにそいつに問いかける。
「ほう、少しは気骨のあるものもおる。作用、此度は暗殺者としてこの地に参戦した。よく踏みとどまったな小僧。だが……」
男は俺から目を外し俺の背後にいるサチへと目を向ける。
男はつまらなさそうな目でサチを見ている。
目を向けられているサチは緊張と恐怖で顔が真っ青になり、今にも気を失ってしまいそうだ。
「小娘…お前からは覇気の一つも感じられん。爪を隠した鷹でも無さそうだ」
男はそう言うと無駄のない動きで構え出した。
「さて、幾分かは楽しませてくれるのだろうな」
そう言い、さらに殺意が男から噴き出した。
「キリト、サチ、下がっていてください」
セイバーはそう言うと一歩踏み出し、男の前へと勇み出た。
俺はサチを庇うように肩を抱えるとセイバー達より後方へと下がる。
「―――やはり相手はお主か…本来ならば儂は一戦一殺を心がけておる。一度の戦いでは一人しか殺さぬし、一人は必ず死んでもらう。だが、今回は令呪によってお主らを襲い、可能な限り討てと命じられた……貴様はどうかな、剣士の英霊よ」
「生憎だが、私は
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