悲しい現実
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
* * *
「ありがとう。じゃあ、しばらく宜しく。僕は《コペル》」
「俺はジン。それでさっき話していた奴がキリトだ、まあよろしくな。」
と俺が説明し、お互い軽い自己紹介を済ます。そんなかんだで俺達は、コペルと協力して《花つき》出現のためのリトルぺネント乱獲作戦を開始した。
なんかコペルが、「キリト………あれ、どっかで聞き覚えが………」
といって首をかしげていたけど気にしない。
たぶんキリトは《元βテスター》だから、その時に何らか間接的に会ったか他の人に聞いたりしたのだろう、と俺は推測する。
キリトはあもむろに、
「たぶん人違いだよ。さぁ、がんがん狩り尽くそうぜ!。他のプレイヤーが追いついてくる前に《胚珠》を二個出さないと」
といって話を強引にそらしている。
コペルもその強引な姿に、
「う…うん、そうだね。頑張ろう」
と少し引き気味である。
《βテスト》の時になにかやらかしたのだろうか?
少し気になったジンであった。(笑)とりあえず話をしていても拉致があかないので、「了解。」とだけ返す。
そんなかんだで俺たちは互いに静かに頷き合い、近くに存在していたリトルネペント向かって駆け出した。
SIDE ジン
元βテスターであるコペルが参加してくれたことで、ネペントの乱獲はさらにスムーズとなった。
乱獲をするにつれて、コペルが最初にネぺントのタゲを取り、俺とキリトが弱点部位を全力で攻める連携パターンが何時の間にか生まれ、三人で続々と現れるネぺントの群れを着実に撃破して行く。
だが、その中にはSAOの現状についての話は無かった。誰かが口を開いてもそれはクエストの内容やアイテムの話ぐらい。三人全員が死の恐怖より自身の強化を優先にしていた。
いや、それはきっと俺達三人がこの現実――《現実の死》を考えずに剣を振るっているんだ。理解していたら、たとえ強くなりたいからとはいえ、こんな暗い森の中でレベル上げなんて愚考も良いところだ……
考えを一段落した時、眼前に映っていたキリトのアバターの姿が一瞬だけ止まった。スタンになった訳でもなく、リトルネペントに対し剣を振り上げている状態で体が止まった。即座に危険だと感じた俺は腰からダガーを抜き放ち、この数分間で熟練度が上がり、威力も向上した《シングルシュート》を発動する。
ダガーはキリトを襲い掛かろうとしたネペントの茎の部分を貫通すると途端にネぺントの身体はポリゴンへと姿を変え、破砕音と共に爆散する。
ゲームの中なので、頭が痛くなったとかではないと思うので、とりあえずキリトに「どうした?」と質問する。
キリトもこっちの質問の意味を理解したらしく、小さな声
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ