悲しい現実
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「「「………」」」
ぼぉーっと眺めた後、俺たちは顔を見合わせる。そして、その次に、
「「「………―――!!!」」」
言葉にならない雄叫び。それと共に自身の剣を握り、食料を見つけた捕食者の如く勢いでやっと湧出(ポップ)してくれたに飛び掛ろうとした時―――
突然、キリトによって静止された。突然急ブレーキをかけたキリトは両手を使って俺とコペルを止める。
何事かと、キリトを見るとキリトは冷静に左手の人差し指で段々と遠退いて行く《花つき》の背後を指す。木々に遮られていて、見えにくいがそこには何かの影が見える。そして、じっと見ているとそこには捕食器の上には直径二十センチメートルの大きなボールを付けているネペントがいた。
そういえばキリトは確かネペントには3種類いると言っていたことをふと思い出す。
今まで見たのは一番最初にエンカウントした《花つき》と、さっきまで倒していた通常ネペントのみだ。後1種類足りない。するとこいつが残りの・・・・・。
「あれは……」
「……《実つき》だ」
俺の呟きにキリトは返してくれた。さっきキリトからのネペントの情報で聞いた三種類目のネペント。その付けているその実を少しでも攻撃したら大きな破裂音と共に独特な臭いを周囲に撒き散る。
その臭い自体は俺達、プレイヤーには何かのステータス異常を与える事は無いが、エリア中のネベントが集結し襲い掛かってくるといういわゆる《罠》モンスターなのだそうだ。
「…どうする……?」
キリトの呟きにコペルの低い囁きが聞こえる。
「――行こう。僕が《実つき》を押さえておくから、キリトとジンは速攻で《花つき》を倒してくれ」
そして、返事を待たずにコペルは踏み出した。
「ああ!」
「………解った」
俺達は答え、コペルを追う。
《花つき》は《実つき》を目指すコペルの接近に威嚇するように咆哮を上げて、ターゲットにし続ける。その隙に俺とキリトは《花つき》に接近しながら空いていた右手にダガーを握り、《シングルシュート》を発動させる。ダガーはウツボ部分を貫通して瞬く間にHPバーは黄色にすると、キリトが起動していた《ホリゾンタル》の青い弧線が茎部分を切断する。
ノーマルとは違った断末魔を上げ、地面に落ちるウツボ部分が落下すると頭頂部から花が散り、一つの球状の物体が転がって来る。それはころころと横にいるキリトのブーツに当たるとそれと同時にネペントの胴体と捕食器は爆散した。
キリトはすぐに光る赤い玉《ネペントの胚珠》拾い上げる。
「急ぐぞ、キリト!」
「ああ!」
胚珠を腰のポーチに収納するキリトを見ながら、自分も右手にダガ
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