第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第13話 学院長登場
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などがな」
オスマン学院長が短いため息の後に、そう続けた。
確かに、あのランダム召喚の場合、その時の術者の気の持ち方によって、陰に属する存在が現れる可能性も有れば、陽に属する存在が現れる可能性も有る。正にランダム召喚になると思います。
ただ、そうだとすると、人間を召喚したルイズは、あの才人を召喚成功した時には、気分的には陰陽拮抗している中庸だったと言う事になりますか。人間は、陰陽のバランスが取れた存在ですから。
故に、陽の気を取り込み仙人と成る事が出来るのです。
但し、陰の気を取り込む事に因って、簡単に邪仙や鬼、妖怪に堕ちる事も出来るのですが。
「少し、質問なのですが、何故、そんな危険と判っている通過儀礼を行うのでしょうか。
使い魔召喚の儀式と言う物は、私の国でもかなりの危険が伴う為に、その準備はかなり慎重に行います」
一応、最初から不思議だった質問を行って見る俺。
それに、今までにも召喚事故が起きた事が有るのなら、流石にその対策も立てられていたと思うのですが……。
「それは、この使い魔召喚の儀が、トリステインの貴族に取って、重要な通過儀礼じゃからじゃな」
かなり重い内容の言葉を、それでもかなり軽い雰囲気でオスマン学院長は答えた。
そして、その答えは、俺の想像通りの答えで有った。
それに俺の記憶が確かならば、地球世界でも成人の儀式として、バンジー・ジャンプを行う地方とか、ハチの巣を取って来る地方。その他、単独で狩りに出掛けさせられる例なども有りましたか。
「この使い魔召喚の儀は、使い魔を一人で召喚して、その使い魔を一人で御して契約を結ぶ。それがルール。
これを一人で為して、初めて、一人前のメイジとして認められるのじゃ」
オスマン学院長が、淡々と事実のみを積み上げるかのように、そう続けた。
そう言えば、確か、この世界は、魔法が使える事が騎士に成る必須条件らしい。
いや、おそらくは、それ以外にも……。
【タバサ。もしかすると、この世界では魔法使いで有る事が貴族の条件でも有る、と言う事なのか?】
おそらく、かなり初歩的な質問でしょうから、【念話】で質問を行う俺。
そして、その初歩的な質問に対して、少し首肯いて答えてくれるタバサ。
成るほど。ならば、使い魔召喚の儀式はかなり重要な通過儀礼で有り、この儀式の際に使い魔を召喚出来なかった人間は、魔法学院を退学させられるだけでは無しに、貴族としての身分すらも失う可能性が有る、と言う事になるのでしょうね。
少なくとも、貴族の後継者候補が一人しかいない、と言う事は考えられないですから。
それに、その呼び出す使い魔の質が、その人間の評価に直結する可能性も有る、と言う事で
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