第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第13話 学院長登場
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昨夜の事件を解決した内の一人にわざわざ来て貰ったのですぞ。
ボケた振りなどせずに、ちゃんとして下さい」
少しイラついた雰囲気でコルベール先生がそう答える。
う〜む。このお爺ちゃんの所為で、中間管理職のコルベール先生の頭が、あの様な無残な状態に成った可能性が有りますか。
このコルベール先生は、見た目通り真面目な方みたいですから。
少しいい加減な校長と、生真面目な教頭、もしくは学年主任。横から見ていると面白い組み合わせだとは思いますよ。でも、コルベール先生の方からしてみたら、面白い組み合わせ、とは言って居られない可能性は有りますから。
何にしても少し心に余裕を持つ方が万事上手く行く可能性が高いとも思うのですが……。
「おぉ、そうじゃったな。
昨日の使い魔召喚の儀は、哀しい事に一人の有望なメイジの命が失われたのじゃったな」
死者を悼む心を感じさせるオスマン学院長の言葉。その言葉からは、彼が心からそう思っている事が強く感じられる。
これは、表面上を取り繕う為の言葉や、体面を気にしての言葉ではない事は間違いない。
確かに、人の生命が失われたのは哀しい事。
しかし、あの形の召喚……召喚した使い魔を結界の内に閉じ込める事すら行わないランダム召喚など、事故が起きない方が珍しいと思います。
少し……いや、かなり否定的な感想。流石にこの瞬間だけは泰然自若とした鷹揚な表情を維持する事が難しく、少し眉根を寄せて仕舞う俺。
何故ならば、あの召喚事故は、起こるべくして起きた事件だと考えているから。
「そうしたら、先ずは、自己紹介からじゃな」
白髪と白い髭に包まれた学院長が俺を一瞥した後に、そう言う。おそらく、この飄々とした爺さんは俺の感情を読んでいる。しかし、その感情を読んで居ながらも、この態度を続けている……と思う。
もっとも、俺としては、タバサの学んでいる魔法学院の学院長と言う以外の存在ではないので、彼の固有名詞などは、ほぼ必要としてはいないのですが。
「このトリステイン魔法学院で学院長を務めて居るオスマンと言う者じゃ」
そう自己紹介を行う学院長。
……なのですが、これでは本名なのかどうなのかも判らないですし、苗字なのか、それとも、名前なのかもよく判らないのですが。
ただ、そんな事はどうでも良い事ですか。実際、学院生徒の使い魔に過ぎない俺と、その魔法学院の学院長とでは接点が無さすぎて、これからの俺の生活に早々、関わって来るとも思えない相手ですし。
「日本と言う国出身の武神忍と言う者です。以後、宜しくお願い致します」
それに、昨日の使い魔召喚の儀については言いたい事も有るし、言わなけりゃならない事も有る。それならば、この状況は渡りに船
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