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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第13話 学院長登場
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う事なのでしょうかね。

 そんなクダラナイ感想が俺の頭を過ぎった瞬間、

「学院長。ミス・タバサと、その使い魔のタケガミシノブを連れて来ました」

 ……と、室内に向かって告げる。

「入って宜しい」

 そのコルベール先生の問い掛けに対して、学院長らしき声がドアの向こう側から聞こえて来た。

 その声は……。

 男性の声ですね。それも、そんなに若い雰囲気では有りません。確か、声と言うのは老化が始まるのはかなり年齢を重ねてからの事に成りますから、この声の持ち主はそれ相当の年齢の人物と言う事に成りますか。

「失礼します」

 重い、そして、それなりの装飾を施された校長室の扉を開き、コルベール先生を先頭にして、悪の魔法使いの工房……では無く、魔法学院の学院長室に侵入する俺達。

 尚、魔法学院の学院長室などと言うのですから、見るからに怪しげな器具と、不気味な湯気を立てた毒々しい色の魔法薬のヤバ気な臭いが充満した、既にイっちゃっている空間を俺は想像していたのですが、実際に入って見るとまったくそんな事はなく、高そうなアンティーク家具の如き執務用の机が窓を背にした形で置かれた、地球世界の何処の学校にも有る普通の校長室で有りました。

 もっとも、明かり取り用の窓を背負っている段階で、ある程度の心理的威圧感を考えた配置になっている事は間違いないとも思うのですが。学院長の方を見ると、自然な形で太陽を背負う形と成りますから。

 それに、その執務用の机に向かって座っている白い置物も、尋常な代物では無い雰囲気が有りますな。

「えっと、それで、何の用事じゃったかのう、コルベール君」

 白い置物……いや、白髪と白い髭に覆われた何か。多分、人語を話したから人間だとは思うのですが、その学院長らしき老人が白い髭を揺らしながら、そうコルベール先生に聞いた。

 ……って言うか、ついにお爺ちゃんも来ちゃったみたいですよ。

 取り敢えず、妙なボケをかますクソジジイには、素直に大阪名物ハリセンチョップでツッコミを入れて、少し配線の切れかかった頭を正常に戻してやるのが俺的には正しい選択肢なのですが、流石にここは俺の生まれた世界では有りません。
 ちなみに、斜め四十五度の入射角がもっともスタンダードな角度ですか。

 それでも、今回に関しては素直に無視するのが無難な選択肢ですか。そう考え、コルベール先生と、白髪、白い髭の老人のやり取りを見つめる俺。
 尚、当然のように、タバサは魔法学院の教師と学院長の演じる小芝居を、彼女に相応しい視線で見つめるのみ。更に、彼女の発して居る雰囲気も、明らかに無関心と言う気を放っていた。

「学院長。学院長が昨日の使い魔召喚の儀で起きた召喚事故について聞きたい事が有る、と言うから、
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