第四話
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ちょっと待て」
「ん? どうした、シロジロ?」
「その新作、この馬鹿に渡す前に私に渡せ。そしたら新作の前半をオークションにかけて高値で売ってやる。取り分は半々で構わないな?」
「ちょぉおおっとまったぁ! そこの強欲商人、何勝手に話を進めているんですか? 取り分が半々? ふざけないでください。取り分は私が七、あなたが三に決まっているじゃないですか?」
俺とシロジロの会話に突然キャスターが乱入したかと思うと、そのまま俺を置いてきぼりにして取り分を決める交渉に突入していった。どうやら俺の新作の一部をオークションにかけるのは決定事項らしい。
「あの……いいんですか? キャスターさん、あなたの原稿を売ったお金、そのまま自分のものにするつもりですよ? あの会話から察するに」
キャスターとシロジロの交渉をのんびりと眺めていると、智が心配そうな顔で小声で話しかけてきた。うん、俺もそう思う。だけど……。
「Jud.別に構わないよ? キャスターの全てが俺のものであると同時に、俺の全てもキャスターのものだからね。これは生まれた時から決まっていることだし」
この世界に転生する前、月の聖杯戦争の時から俺とキャスターはお互いに協力しあい、支えあっていくことを約束していた。だから今の台詞もごく普通に口から出たのだが、それを聞いた智を初めとする女性陣が顔を赤くしたり、驚いた表情となって俺を見てきた。
「う、うっわ! 甘っ! 激甘っ! 今この人、恥ずかしがる様子を微塵も見せず、ごく自然に大胆発言をしましたよ!?」
智が女性陣を代表するかのように叫ぶ。そんなに変なことを言ったか、俺?
「ふふん。聞きましたか? 今のマスターの『キャスターは俺の嫁&俺はキャスターの婿』発言! マスターと私は前世からの固い絆で繋がっているんですよ! 羨ましいですか? 羨ましいでしょう! ふははははぁ!」
俺の台詞にトーリ以上ハイテンションとなったキャスターが高笑いをあげる。
「……ん?」
何だ? 今、隣のクラスの三要先生らしい人が泣きながら逃げるように走っていくのが見えたんだが……気のせいか?
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