無印編
第十三話 裏 (士郎、なのは、すずか)
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、手にした瞬間に「リリカルマジカル」と封印魔法をかけた。
魔法をかけ終わると同時に、即離脱。さすがにそのまま立ち去るのは後味が悪かったので、「ごめんなさ〜い」という言葉を残して、その場を風のように去るのだった。
◇ ◇ ◇
「あははは、あははははははは」
なのはは自分の部屋で手にした蒼い宝石を弄びながら笑いが止められなかった。
―――これが、これがあればずっとショウくんと一緒にいられる。
なのはは、このジュエルシードをレイジングハートの中に仕舞うつもりはない。鍵をかけた自分の机の中に隠しておくつもりだ。そうすれば、決して最後の1個は見つからない。見つけられるはずがない。なぜなら、既になのはが手にしているのだから。
「これで、ずっと一緒だよ、ショウくん」
そう、これでずっと自分と翔太は一緒にジュエルシードを探し続けるのだ。
だから、もう今日のような情景は絶対に見ることはない。翔太の隣で笑っているのは自分ひとりで十分なのだから。
ジュエルシードを机に鍵をかけて仕舞ったなのはは、そろそろ寝ようとベットに身を沈めようとして、携帯にメールが来ていることに気づいた。
すぐに中身を開くなのは。なぜなら、この携帯にメールしてくるような人物は一人しかいない。
『今日は十分休めた? 明日からも頑張ろうね。翔太』
短い文章。だが、それだけでなのはは満足だった。脳裏に翔太の笑みを浮かべながらなのはは、返事をする。
『うん、頑張ろうね。なのは』
◇ ◇ ◇
月村すずかにとって蔵元翔太は、不思議な人だった。
最初に出会ったのは、1年生のときの教室。すずかからしてみれば、彼だけが異様に浮いているような気がした。友人となった今なら分かるが、彼が発している雰囲気は小学生のものとは異なるような気がした。
これは他人を観察しているすずかだから気づけたことで、もう一人の友人であるアリサからしてみれば、少し変わった男の子というぐらいだろうが。
翔太は、すずかに近寄ってくることはなかった。他の独りになっている子は、きちんと世話をしているのに。もっとも、それはすずかが望んでいたことで、彼はそれを察してくれただけなのかもしれないが。
そして、アリサを通して友人になった蔵元翔太だったが、やはり不思議な人だった。年齢と身体が釣り合っていないというべきだろうか。子供と子供の会話なのに彼と同級生が話しているとお兄さんと弟という感じがするのだ。だから、すずかにとって蔵元翔太は不思議な人だった。
今は、友人としてアリサと同様に付き合っている。だが、すずかには彼らに―――いや、他の人にもだが―――決してばれてはいけない秘密がある。
そ
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