無印編
第十三話 裏 (士郎、なのは、すずか)
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の死期を告げられ時の感覚に近い。
―――ジュエルシードを集め終えたら……ショウくんは……一緒にいない?
それは、今日の情景が証明している。ジュエルシードがすべて集まり、魔法が必要なくなれば、翔太がなのはを必要とすることはなくなり、つまり、それは、翔太がなのはの隣にいないことを、今日の状況が日常になることを示唆していた。
―――嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、いやだいやだいやだ。
翔太が魔法を使ったときにも感じた恐怖がぶり返してきた。つまり、翔太の温もりを手放さなければならないかもしれない、ということだ。昔のただ褒められることも、温もりを与えられることもなくなるということだ。それは、すでに翔太の温もりという甘い経験を強いてるなのはからしてみれば、とても受け入れられないことだった。
―――そ、そうだ。わざとジュエルシードを見逃せば……
そうすれば、翔太とずっと一緒にいられる。だが、その考えはすぐに選択肢の中から一蹴された。なぜなら、ジュエルシードを見逃すということは、なのはの不手際であり、それが原因で翔太から見限られては元も子もないからである。
―――どうすればいい? どうすればいい? どうすればいい?
考える。なのはの魔法が見限られることなく、ジュエルシードがずっと存在するような状況。そうすれば、なのはと翔太はずっと一緒にジュエルシードを探すようになり、なのはと翔太はずっと一緒にいられる。
―――ああ、そうか。そうだ。こうすればいいんだ。
抱きしめていた腕を解いて、なのはは立ち上がり、駆け出す。
答えを得たなのはは、海鳴の街を目指して一直線に駆け出していた。
◇ ◇ ◇
階段を駆け上がり、屋上に着いた瞬間、なのはの顔を強風が叩く。だが、それを物ともせず、屋上の中心へと足を進める。屋上の中心に立ったなのはは、胸元からレイジングハートを取り出す。
「お願い。レイジングハート」
―――All right.
もはや主従の間に契約の言葉などという無粋なものは存在しない。主の言葉に従い、デバイスであるレイジングハートは主の意思に従って、その姿を杖と防護服―――バリアジャケットへと姿を変えた。
形を変えたレイジングハートを手にしたなのははすぅ、と意識を集中させるために目を瞑る。
展開する魔法は、いつもの仮想空間で放つ砲撃魔法ではない。むしろ、砲撃魔法のような攻撃とは真逆のベクトルである補助的な魔法である探査魔法をなのはは展開していた。
むろん、誰からも習っていない。ただ、ユーノが使っている探索魔法をいつもなのはは見ていた。つまり、これは、ユーノが使う探索魔法の見よう見まねである。むろん、普通の魔導師が行えば、失敗してしま
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