無印編
第十三話
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いことも知っているはずだ。事実、アリサちゃんは僕の答えを聞くと、うっ、と返答に困っている様子だった。
それをすずかちゃんは見ているだけ。僕の味方もしていないし、アリサちゃんの味方もしない。まだもう少し事情が知りたそうだった。
「で、でも、もう一週間も探してるのに見つからないんじゃ、見つかるわけないじゃない」
「でも、探さなければ見つからないよ。買って換えがきくようなものじゃないんだ。だから、探さなくちゃいけない」
もっとも、探して見つけたとしても封印するのはなのはちゃんの役目だったりするわけで。僕は本当に捜索要員でしかない。最近は魔法の練習も頑張っているのだが、単純な魔法しか使えないし、念話は昨日ようやく使えるようになっただけだ。
「……だったら、いつまで探すのよ。代わりがないからって、見つからなかったらずっと探すわけじゃないんでしょう?」
それもそうだ。確かにアリサちゃんの言い分にも一理ある。僕の説明だと見つからなければずっと探すということになってしまう。だが、それはありえない。ずっと探すという選択肢は僕の中にはない。そもそも、僕たちが探しているのは、僕たち以外に探す人がいないからではない。時空管理局という警察のような組織がくるまでの中継ぎなのだ。
ふむ、だったら、アリサちゃんを納得させるために期限を設けてもいいのかもしれない。
―――ねぇ、ユーノくん。時空管理局が来るのってどのくらいになるのかな? ―――
僕は、念話でテーブルの下で、ケーキのスポンジを食べているユーノくんに話しかけた。
―――そうだね、もう一週間経ってるから……あと、二週間後には来ると思うけど―――
―――三週間もかかるのか……―――
時間がかかるとは聞いていたが、そんなにかかるとは思っていなかったので、少し驚いた。だが、魔法世界所属のユーノくんがいうのだから大体間違いないだろう。三週間か、だったら、少し余裕を見ておくべきだろう。
「分かったよ。だったら、一ヶ月。それまで探して見つからなかったらなのはちゃんを説得して、探すのをやめる」
「一ヶ月も探すの?」
「大事なものだったら、いつまでだって探したくなるものだよ。だから、せめて区切りを告げる意味でもそれまで探してあげたい。まあ、それまでに見つかるのが一番だけどね」
もっともジュエルシードは21個あって、そのうち5個はすでに見つかっている。後二週間もすれば、時空管理局が来てジュエルシード探しも引き継いでくれるだろうし。ならば、一ヶ月を区切りにすることになんの問題もない。
どう? とばかりに僕の答えを聞いたアリサちゃんだったが、少し腕を組んで考えた後、顔を上げた。
「……仕方ないわね。一ヶ月よっ! それまでなんだから
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