無印編
第十三話
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れたユニフォームを着た僕よりも一つか二つほど年上の少年たちが桜台JFCのゴールに向かってボールを蹴っていた。
「ねえ、ショウはどっちを応援するの?」
「翠屋JFCだね。僕の先輩がそのチームに所属しているんだ」
隣に座っているアリサちゃんが、どちらを応援しようか迷っていたのだろう、僕に聞いてきた。その声色に先ほどまでの不機嫌さはない。あれは、ある意味照れなので、それが引いてしまえば、大丈夫なのだ。
「ふ〜ん、なら翠屋JFCのほうをあたしも応援してあげるわ」
そうしてくれると僕もありがたい。僕がここに来た理由は、アリサちゃんとすずかちゃんの両方に翠屋JFCを応援してもらうことなのだから。
「すずかちゃんも、応援してくれる?」
「うん、もちろん」
アリサちゃんを挟んだ向こう側で静かに見ていたすずかちゃんに本来の目的である応援を頼むといつものように柔和な笑みを浮かべて、快諾してくれた。
よかった。これでどうやら義理を果たせたようだ。
しかしながら、確かにここにきたのはアリサちゃんとすずかちゃんを応援に引っ張り出すためだが、僕がサッカーの試合に興味がないか、と聞かれると答えは否だ。やはり、知り合いが出ている試合というのは、実に興味深い。
僕は、アリサちゃんとすずかちゃんが、頑張れ、と応援していることを確認して目の前の繰り広げられるサッカーの試合に目を移した。
サッカーの試合というのは、野球のように止まらない。もちろん、ボールが外に出てしまえば話は別だが、常にボールは右に左に動いている。目で追うのは非常に大変だ。特にゴール前ともなれば、人が固まってボールが何所にあるのか分からない。突然、その人ごみの中からボールが出てくることもあるから驚きだ。
―――へ〜、これがサッカーか、面白いね―――
僕の膝の上で大人しくサッカーの試合を見ていたユーノくんが感慨深げに念話で頷いていた。
―――そうだよ。ユーノくんの世界には似たようなスポーツはなかったの?―――
―――う〜ん、似たようなものはあったけど、僕は研究と発掘ばっかりであまりやったことはなかったな―――
興味半分で聞き返したのだが、思ったよりも面白い答えが返ってきた。フェレットがサッカーに似たようなスポーツをやっているというのだ。一体、どうやってやっているのだろうか。個人的には興味が尽きない。
だが、ここで聞くには少々場違いのように思えた。なぜなら、僕の念話は、つい昨日ようやく送信もできるようになったばかりで短距離でしか飛ばない上に酷く疲れるのだ。この後、さらに体力を使うことが待っている以上、ここで体力を使うわけにはいかない。
だけど、後で絶対、詳しく話を聞こうと思った。
さて、サッカー
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