無印編
第十二話 裏 (なのは、恭也、アリサ)
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高町なのはの朝は非常に早い。短針が4を、長身が30示す時間に携帯のアラームが鳴り、それで目が覚める。まだ、太陽も昇っていないような時間。辺りは真っ暗だ。しかしながら、なのはは、眠りたいという欲求を自らの意思で振るい払い、起き上がり、私服に着替える。制服に着替えるには早すぎる時間だからだ。
―――Good morning my master.
机の上においた出会って一週間足らずの愛機が、朝の挨拶をしてくれる。それになのはは眠い目をこすりながらも、おはようと返した。
私服に着替えたなのはは、机の上のレイジングハートを首からかけると朝の冷気でまだ冷たい板張りの階段を降りていく。一階に降りてきたなのはが外を見てもまだ日の出には程遠い時間帯。夜と言っても差し支えのない暗さの中、なのはは躊躇することなく、靴を履くと中庭へと向かった。
「今日もよろしくね、レイジングハート」
―――All right.My master.
レイジングハートの内部に保存されている魔法練習用カリキュラムに則り、なのはは魔法の練習を行う。
現状、この早朝の魔法練習で実際に習得した魔法は、四つである。
プロテクション、バインド、ディバインシューター、ディバインバスターだ。なのはの基本戦略は近づくことなく遠距離攻撃のみで勝つというものだ。
この戦略は、なのはとレイジングハートが考えたものだ。レイジングハートはなのはに砲撃魔法に関する適正を認めたからだし、なのはは翔太を護りながら暴走体と戦うならば、近接戦闘よりも遠距離からのほうが都合が良いからである。
両者の思惑は少し違っていたが、それでも方向性は同じだったため、なのははレイジングハートが示すカリキュラムどおりに訓練を進めている。
中庭での魔法の訓練で二時間ばかり費やした後は、シャワーを浴び、制服に着替えて朝ごはんを家族全員が集まって食べる。最初は、滅多に朝食に現れないなのはが急に朝食の場に姿を現すようになって驚いた士郎、桃子、恭也、美由希だったが、一週間もすれば、慣れるもので、最初は会話が少なかった食卓が今ではそれなりに賑やかな場になっていた。
もっとも、なのはが饒舌に喋ることはなかったが、今まで朝食になのはの姿はなく、会話すらなかったことを考えれば、進歩したといえるかもしれない。特に学校関係のことは気を遣って聞きづらく、もっぱらなのはとの会話は魔法関係になることが多かった。
さて、この間、実はなのはにはレイジングハートによって強い魔力的な負荷がかけられている。要するに魔力的な要素を強化する魔導師養成ギプスのようなものだ。レイジングハートの持ち主であるユーノが知っている並の魔導師であれば、ろくに動けないものをなのはは三日程度で「もう慣れた」とばかりに特に気に
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