無印編
第十二話
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しいが、何もない僕は一週間近くかかってしまった。だが、ここまでできれば後はプログラム部分になるから、早い人は早くもっと複雑な魔法が会得できるらしい。
僕がその早い人に部類されるかどうかはともかく、なのはちゃんがこうなっているなら、実践的で簡単な魔法の一つでも早く覚えなくてはいけないだろう。
僕の魔法とも呼べない魔法を見て、なのはちゃんは目を見開いて驚いてた。
「ど、どうして? どうしてショウくんが魔法を使えるの!?」
そして、またがばっ、と起き上がったかと思うと、僕に詰め寄って問いかけてくる。その表情はとても必死でなんでこんな表情を浮かべているのか僕には分からない。とにかく落ち着かせるために僕は、なのはちゃんの肩を押さえながらベットの上に座らせた。
「どうしてって……ユーノくんに習って練習したからかな? 僕にも魔力はあったから」
ユーノくん曰く、僕にもなのはちゃんには到底及ばないもののそれなりの魔力はあるらしい。ユーノくんと同等か少し上ぐらいらしいが。
「で、でも、あの時、『僕にはできないから』って」
「うん、僕にはできないよ。ただ、魔法が使えるだけ。ジュエルシードの封印ができるのはなのはちゃんだけだよ。僕ができるのはお手伝いだけ」
そう、僕がどう足掻いたとしてもジュエルシードを封印できるほどの魔法を使うことはできない。僕ができることは、なのはちゃんがジュエルシードを封印するためのお手伝いだけだ。神社であの暴走体を縛った―――バインドといわれる類の魔法のようなもので補助するしかない。幸いにしてユーノくんはそちらの補助魔法が専門のようで、僕もその方向性で魔法を覚えていこうと思っている。
「だからさ、もう少ししたら僕もなのはちゃんと一緒にジュエルシードの封印ができると思うから」
「ショウくんと一緒に……」
「そう。だから、こんなに倒れるまで頑張らなくてもいいんだよ」
僕は、なのはちゃんの肩を押して、再び横にならせた。少なくともあと二十分は恭也さんは来ない。今のなのはちゃんに必要なのは休養だろう。だから、もうしばらく寝ていたほうがいいと思った。
「さあ、もう少ししたら恭也さんが来てくれると思うから、それまでお休み。僕もずっと隣にいるから」
横になったなのはちゃんはやはりまだ疲れていたのだろう。すぐにうつらうつらと眉を閉じそうになっていた。それでも、僕が布団を肩まで被せてやると、その小さな口でうん、と肯定の言葉を言ってすぐにまた眠りに着いた。
◇ ◇ ◇
「うん、それじゃ、また、明日」
ぴっ、と僕は携帯の通話を切る。携帯のディスプレイに通話時間が簡単に示されて、やがて省電力モードになる。ディスプレイが真っ暗になるのを確認して
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