無印編
第十二話
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題ないし、仮に一日殆ど寝ずに頑張ったとしても貧血で倒れることはない。つまり、ここ最近ずっと無理していたということになる。
その原因を探らなければ、きっと彼女はまた倒れるだろう。
だが、なのはちゃんは何も答えなかった。答えにくいのか、あるいは答えられないのか。
本当はとりたくない手段だったが、なのはちゃんが答えてくれないのなら、仕方ないと割り切るしかない。
「レイジングハート、原因に見当は?」
―――Maybe magic practice.
僕は、なのはちゃんがレイジングハートを首から下げていることを知っている。首から下げる紐はユーノくんから譲ってもらったものだ。
そして、僕はゲスト権限ではあるが、レイジングハートへのアクセス権限を持っている。だから、こんな単純なことには答えてくれる。何よりマスターの健康管理に関する質問だ。おそらく、答えてくれるものだろう、と思っていた。
「―――やっぱりね」
もしかしたら、と大体見当をつけていたが、どうやら正解のようだった。これまで、なのはちゃんが貧血で倒れたという話は聞いたことないし、養護教諭に確認しても同じ答えが返ってきた。つまり、なのはちゃんはこれまで倒れたことはなかった、ということだ。
今日―――ひいていえば、最近と前とで違うところといえば、魔法ぐらいしか思いつかない。そして、それは今、確信に変わった。
僕たちの存在がなのはちゃんに負担を掛けたのかもしれない。
現状でいば、魔力を持たない恭也さんはともかく魔力を持っている僕もユーノくんもジュエルシードに対しては無力だ。対抗できるのはなのはちゃんしかいない。それが彼女の負担になっているのかもしれない。
なのはちゃんに顔を向けてみると気まずそうな顔をして僕から顔を逸らした。
彼女の負担軽減になるかどうか分からないが、もう少ししたら話そうと思ったことをここで話すことにした。
「なのはちゃん」
僕の呼びかけに少しだけ布団を被り、顔を上半分を出した状態で僕を見てくるなのはちゃん。
「ちょっと見てて」
僕は、意識を少しだけ集中させて、胸の奥にある何かから水を掬い上げるようにそれを引っ張ってくる。そして、それ―――魔力と呼ばれるそれを掌へと回すようにして、そこから出力させる際に球を描くプログラムを付与して急造の魔法と呼ばれる形にして顕現させた。
僕の掲げた掌の上には球状になった白い光を淡く放つ魔力の塊がぷかぷかと浮かんでいた。
ユーノくんに言わせて見れば低学年の子供が簡単にできる魔法のようなものらしい。これができることで第一段階はクリアらしい。
もっとも、デバイスといわれるレイジングハートのようなものがあれば、2、3時間で感覚がつかめるものら
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