無印編
第十二話
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以上言うことはなかった。
「それじゃ、行こうか」
「うん」
僕が促すと、なのはちゃんは僕に並んで歩き始める。この後は、いつもどおり恭也さんとユーノくんと合流して街中を散策するだけだ。自宅周辺、なのはちゃんの自宅周辺、商店街、学校などの主要な場所はこの一週間でほぼ探索が終わっている。後は、街中などの大きなところと海鳴市の外側である山の中とかである。
僕としては、山の奥深くなんて場所に転がっているのは勘弁して欲しいものである。なお、もしもそんな森の奥深くにジュエルシードの暴走体が出現した場合は、士郎さんの車で移動することになっている。
閑話休題。
「さて、それじゃ、今日はどの辺りを調べよう―――ってなのはちゃん?」
「ふぇ、ふぇっ? ご、ごめんなさい。な、なに? ショウくん?」
昨日までで大体、僕たちが行動する範囲を全部調べ終わっていた。僕で言えば、学校、塾、家の周辺。なのはちゃんは、学校、翠屋、駅前商店街といった場所だ。だから、今日はどこから調べようか? と聞くつもりだったが、どうもなのはちゃんの様子が変だ。
頭が左右に揺れており、目がトロンとしている。しかも、よくよく見てみれば、笑みを浮かべている顔も青白く、血行がよくないことがわかる。
「なのはちゃん、大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫」
胸の前でぐっ、と拳を握り上下に振り、大丈夫だと豪語するなのはちゃんだが、僕にはそうは見えない。
しかも、顔が青白いだけではなく、どこかまっすぐ歩けていないような気がする。いや、一歩一歩を慎重に歩いているような感じだ。
もしかしたら疲労が溜まっているのかもしれない。ここ数日は毎日ジュエルシードを探している。しかも、なのはちゃんにはジュエルシードを見つけるたびに封印を頼んでいるのだ。封印魔法には大量の魔力が必要だとユーノくんが言っていたことも鑑みれば、あながち僕の推測が間違いとも思えなかった。
「―――今日はお休みにしようか?」
僕から至極当然な提案だ。僕は、さほど疲れを感じていないが、なのはちゃんが疲れているのなら話は別だ。
ジュエルシードに関していえば、なのはちゃんが中心である。彼女がいなければ、僕たちはジュエルシードを封印することができないのだから。
ならば、もしかしたらジュエルシードが暴走するかもしれない、と心配して無理に探し回るよりも、なのはちゃんの身体を第一に考えて、休んでもらったほうがいいだろう。
そのつもりで僕はなのはちゃんに提案したのだが、僕の言葉を聞いたなのはちゃんは足を止めて、先ほどまで浮かべていた笑みを凍りつかせていた。
「なのはちゃん?」
「ダ、ダメだよっ!! ショウくん、どうして―――」
急に足を止めたなのはちゃんを心配し
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