『Let's party!・・・の前置き』
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「司桐にそんな事あったんだね」
「ま、今となれば貴重な体験 って事で済ましてるけどな〜」
日はもう沈みつつあり、夕暮れの光が辛うじて司桐と小雪の影を作っている
「あ、そこ右だよ〜」
「はいはい・・・あ、ユキにもお土産あるからな〜」
「やった〜! 何かな〜何かな〜」
ユキは満面の笑みを浮かべ、背中に抱きついてきた
「ま、ヒントはユキの好きなものたな」
これは最早ヒントではなく、答えに近い気かするが気のせいという事にしておこう
因みに何処に向かっているかと言うと、大和達が住んでいる寮に向かっている
「あ、あそこだよ〜」
「ここか・・・」
「大和達が待ってるから早く〜」
ちょっとした余韻に浸っていると、急かせるように言いながら俺の手を取り、寮内へ向かった
◇
『お帰り、司桐!』
部屋に入るといきなりクラッカーの一斉発射が鳴り、紙テープが顔にかかり、ほんの僅かな火薬の匂いが鼻孔を擽る
「え〜っと・・・ただいま?」
「何でそこで疑問系なのさ!?」
・・・久しぶりにモロのツッコミを聞いたな〜
・・・って、え゛!?
「揚羽さん!? 何故此処にいるんですか!?」
本来居るはずのない人・・・英雄の姉、『九鬼揚羽』が居た
「うむ、百代に誘われてな。それに司桐が帰ってきたと聞いて、居ても立っても居られなれなくなってな」
「百代姉さん・・・」
若干呆れ気味に百代姉さんの方を見るが、そっぽを向いていて知らん顔していた・・・この人にとやかく言ってもしょうがないな
「そう言えば、小十郎さんは?」
小十郎さんは揚羽さんの執事であり、揚羽さん曰く、俺を目の敵にしているらしい・・・小十郎さん、俺何かしましたか!?
「小十郎なら沈め・・・留守を頼んでいる」
揚羽さん、今沈めた って言いましたよね!?
・・・小十郎さん、合掌
「・・・ま、姉さんの土産はな「私が悪かった!」現金だよね、姉さんって」
「司桐〜お腹減ったよ〜」
「え? キャップが何か持ってくるんじゃないの?」
一瞬、俺は耳を疑った
「あれ、ガクトが言っておくとか言ってなかった?」
モロがガクトに聞くと
「・・・(あ、ヤベ、忘れてた」
冷や汗をだらだらかいていた・・・ゑ、嘘ぉ!?
「つか、帰ってきて早々に料理を作れってどんな神経してんだよ!?」
「揚羽さんが我が弟の料理を絶賛していてな、姉として誇らしいぞ!」
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