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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
幻想天舞(2) 〜交絶する光の涯て〜
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自体は200年前に完成済み。実践したことは無いが、オレ自身試験的にはクリアもしている。
黒守本家に戻った際、曽祖父の形見のペンダントから加護の概念を自身に実装した……しかしあれは本家の土地に敷いてある儀術陣の補助あってのもの。
大源から魔力を集約させたり、魔術刻印に秘してある概念実装の術式の自動発動、本来必要な儀礼魔術や瞬間契約に相当する魔術を省略させる。
黒守本家の屋敷や土地自体が、こうした機能を持った一つの儀式場なのである。
要はそれを補助なしで、今この場で成し得るかという難題に突き当たっている。
手元にはフェンサーの宝具であるクラウ・ソナス。
概念実装だけなら確実にできる。それこそ一分の間違いもなく完璧に。
ただ神速の加護を自身に実装するだけじゃ足りない。そもそもオレが速度アドバンテージを得たところでほとんど意味はない。
目指さなければならないのは概念実装の先──────聖遺物との同調による概念の顕現。
先ほどフェンサーが見せたような目前の総てを薙ぎ払うほどの極光斬撃は、たかが魔術師一人分程度の魔力では再現不可能。
だがそんな大規模ではなくとも、真名解放を以て発動する一撃を生み出せれば、ライダーを天馬ごと切り伏せる事だって可能なはずだ。
完全じゃなくていい。未完であろうともそれは真実、宝具による一撃となる。
「
再動
(
セット
)
……
魔術廻炉
(
エーテルドライブ
)
…………」
起動呪文から魔術回路を再動させる。
温存しておいた予備の魔術回路を開く。
これでもう一段階、魔力の回転率、共振効率を上げられる。
残り魔力は凡そ半分。共振特性を考慮すればまだ猶予はある。
懸念事項は宝具の概念顕現に必要になる魔力が一体どれほどのものかということ。
クラウ・ソナスの極光斬撃を参考に推測を立てる。
アレの発動による消費魔力量は、一般的な成熟した魔術師20人分以上。
単純計算して、オレの魔力総量全てでも足りていない。残存魔力を共振増幅で倍加してようやく一発分が充填可能といったところ。
とはいえいくら総量の半分だろうと、残りの全魔力を一度に共振しては回路が焼き切れるか破裂する。
ならば魔力を複数回に分けて共振増幅して、宝具へと段階的に充填する。
即座に使用しないからといって、魔力はすぐさま霧消するものじゃない。
一度に充填するよりかは負担を抑えられるし、一度に増幅するよりも効率よく魔力を回転させることができるだろう。
もしこの試みが成功したとして、その後に魔力が空になっては問題が残る。
この学園に残る
敵性対象
(
サーヴァント
)
は…………ライダーだけではないのだから。
「
聖遺物・概念実装
(
ミスティック・ディヴァイナー
)
─
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