第一物語・後半-日来独立編-
第十八章 無意味な会議《1》
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映画面に今まで言っていた言葉の列を、それを見ている住民が理解しやすいように打ち込んでいる。
打ち込みながらも、手と口を動かす。
「だってこっちも日来と運命を共にしろ、何て言っていなんだから。独立した日来に不安定があれば、そのときは別に他へと移ればいい。それよりもまず、この日来にいる者達はそんな日来と共に行くことを選んだ者だけだ。未来に不安がある者達はすでに移住したと思うけど?」
決め顔で告げるが、周りのウケはあまり良くない。
中二病の人は理解されないことが多いので、可哀想だと思いながらも飛豊は要らぬ同情をする。
だがレヴァーシンクが言っていることは確かだ。今、日来に在住している者達は如何なる運命が待ち受けようとも、それでも日来に残ると決めた者達だけだと個人的に思う。だからこの会議はよく考えれば必要ないし、社交院が何故覇王会に敵対意識を持っているのか解らない。
独立のために動くのならば社交院も一緒にやった方が効率が良いし、戦闘になった場合も他とは引けを取らないだろう。
なのに何故、意味の無い仲間割れをするのか。
疑問に思いながらも、それを今は忘れるように飛豊は言葉を加える。
「と、言うことだ。日来在住を強制するわけではない」
「なら武装の無い日来はどのように動くというのだ?」
独立した場合の今後を、あちらは問い掛けてきた。
だが、その問いを答えずに新たな問いが跳ね返された。
レヴァーシンクが先程のことを気にせずに、社交院に言葉をほおったのだ。
「それを言う前にそっちの場合の今後をもっと詳しく聞かせてくれないかな。こっちは色々と壮大な今後でね、それを聞いたら建物のなかにいる黄森の隊員がこの会議を中止にするかもしれないから」
左に建つ建物を指で差し、その方向にこの場にいた者達は視線を動かした。
学勢領と同じ配置の形で立つ建物のなか、カーテンで外と室内を遮っている。
殆どの者はそこを見て、理解出来ず不思議な思いでいた。
そこに半獣人族のネフィアが、閉じていた口を開いた。
「三階に一室一名、それが六室ありますから六名いますわね。一階には十名、二階には五名の合計二十一名」
「これはさすがだ、やはり気付いていたようだったな功一郎」
「神崎、何時も葉木原と呼べと言っているだろう」
葉木原は左に立つ神崎に笑われながら、自身の肩を叩かれている。
外の様子に、窓の内側に掛けられていたカーテンが微かに揺れた。
存在に気付かず、普通に見ていればそれには気付かなかっただろう。
ははは、と笑いながら手を叩く神崎が頬を上げながら言う。
「すまないね、あの人達がいると緊張して上手く話せないと思ってね」
「気遣い感謝します。しかし、そんなことをしなくてもこちらは平気ですので」
「そうかい? まあ、彼ら
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