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最期の祈り(Fate/Zero)
狂宴のとき……前
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っぽを向いてしまうシャルロット。そして
「……ありがとう」
はにかみながら、誰に言うでもなく本音を吐露した。
――――――――――――――――――――――――
ロビーを出ると、町の熱気が二人を包み込んだ。
「凄いな。雰囲気までそっくりだ」
祭り独特の感覚に身を預けていると、シャルロットが腕にすがり付いてきた。
「ねえ、本当に大丈夫なの?僕、女性物の服なんか着ていて。もし、僕がシャルロットだってバレたら……」
そう、それは非常にまずい。
今回、シャルロットをデュノア社、及びフランス政府から守るに辺り、切嗣が立てた計画の指針は「学園に入学するまでシャルロットが女で在ることを露見させない」である。
(最も、政府になら露見したところであまり問題は無いのだけれど)
一応、脅しのような格好にはなるが政府に対しては有利成るように交渉を運ばせる自信があった。が、それは確実性に欠けるので、なるたけ最終手段にしたいというのが本音だが。
だが、今話しているのはそれ以前のはなしだ。
「大丈夫だよ。今の君を見ても、9割り方シャルロットが女の子だって思われないから」
「それどういう意味?」
少し、頬を膨らませてツンとするシャルロット。聞きようによっては、シャルロットは女の子らしくないと言っているようにも聞こえる。
「違う違う。だってシャルルは男だろ」
「あ」
「だったらシャルルが女物の浴衣なんか着るわけ無い、という先入観があるからそもそも君はシャルルとしてすら認識されない」
この心理作戦は聖杯戦争中に切嗣がとった行動に酷似している。「あの衛宮切嗣が遠坂や間桐の本拠地に近い場所に本陣をおくわけがない」翻っては「男が女物の服を着るわけがない。よってアレはシャルルではない」そんなフィルターがかかるというわけだ。
「前に言わなかったかな?僕の専売特許は騙すことって」
「は、はは」
少し呆れと感心さとが入り交じった笑いを溢す。
「さ、話し込むのも勿体無いし……行こうか」
そう言うと、切嗣は手を差し伸べた。
シャルロットは、その手を絶対に離さないようにギュッと握った。

side シャルロット
最初、あまりの熱気に息がつまりそうになった。同時に不安にもなる。もし、僕がシャルロットだってばれたら……
事は1週間前に遡る。
――――――――――――――――――――――――
「ねえ、切嗣。来週のカーニバルに行こうよ」
僕は、椅子に腰掛け新聞とにらめっこしていた(正確に言うとフランス語と格闘していた)切嗣に声をかけてみた。
「カーニバル?ああ、そう言えばそうだったね」
「ここのカーニバルはヨーロッパでは結構有名なんだよ」
少し興味をそそられたように、新聞を畳んで僕の近くにやって来る。
「そうか……じゃあ、さっさと授業の予習を終わらせて
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