第十九話〜同調〜
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るかと問われれば、答えは「NO」である。
三人が再び、ライの事について話始めた横で蒼月は呟いた。
蒼月「本来の使い方以外の方法で使用した、マスターの発想力の方が私は驚きました。」
この呟きは三人の耳には届かなかった。
医務室
目を開くと、どこか見覚えのある天井がそこにあった。
ライ「……うっ…」
身を起こそうとするが、体に走る鈍い痛みのせいでそれは叶わなかった。
体が動かないと分かると、ライは状況を整理し始めた。そしてランスロットと交戦してから気絶したところまで思い出し、今の状況に納得した。
そこまで考えたところでベッドの周りを囲んでいたカーテンが開かれる。開いたのはこの部屋の主であるシャマルである。彼女は体を拭くためのタオルとお湯を入れた洗面器を持っていた。
彼女は目覚めていたライを見ると驚いたような顔をした後、安心したような表情を浮かべた。
ライ「おはようございます、シャマルさん。」
どこかズレた挨拶をしてくるライにシャマルはクスクス笑った。気恥ずかしくなったライは少し顔を朱に染める。そこで一旦笑うのを止め、シャマルは医者としての仕事を始めた。
シャマル「ライ君、気分はどう?」
ライ「体は痛いけど、気分は悪くないです。あの戦闘からどの位経ちました?」
シャマル「二日程よ。あの後、すぐに治療を施したから大事にはいたらなかったわ。でも失血量が多かったから、二、三日は安静にしていてください。」
ライ「はい。」
シャマル「体の怪我も、治癒魔法の使用であと二日程で完治するわ。だから今日から三日間は休暇だと思って休んでいてね。」
それからはアグスタでライが気絶した後どうなったか、そして移動だけなら松葉杖を使ってできるなどについての会話をした。そして一段落するとはやてにライが目覚めたことを報告するためにシャマルは退室していった。
いきなり暇になったライはこれからどうするか悩んでいた。機動六課に参加してからライはほとんど時間を持て余すことがなかった。もし時間が空いてもはやての書類仕事を手伝ったりしていた。
どうしようか悩んでいるとふと日差しが差し込んできた。そちらを見ると青く澄んでいる空が窓から見える。それを見て外の空気が吸いたくなったライはベッドの横に立てかけてあった松葉杖を手に取り医務室をあとにした。
機動六課・中庭
機動六課の中庭には幾つかの植物が植えられている。そして機動六課の隊舎は海に囲まれている。その海を挟んだ向かい側には近代的な都市が広がっている。
中庭に移動してきたライは中庭の木の一つにもたれ掛かり芝生の上に腰掛け、そこから見える街の風景を眺める。心地よい日差しとたまに吹くそよ風が頬を撫でる。その
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