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戦国御伽草子
壱ノ巻
文の山

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「はっはっはっはっは!!!」



「ちょっと!高彬!」



あたしは高笑いしてる高彬の頭をぺしりとたたいた。



「あんた、なにをノンキに亦征と遊んでんのよ。帰るわよ」



「いやあ、ははは、残念ですね亦柾殿。もう少しお話したかったのですが」



「ははは、全くですよ。あ、螺蔚姫」



「瑠螺蔚よ!!」



怒鳴り返しながら振り返ったら、不意に亦柾に強く腕を引かれた。



「私の正室の座は、いつでも螺蔚姫のために空けてありますから」



耳元でそう囁かれる。



「結構です!」



あたしが繰り出した平手をひょいっとよけて、亦柾は笑いながら去っていった。



「では、また会いましょう、螺蔚姫」



「瑠螺蔚だってば!」



亦柾の背に、べーっとあたしは舌を出してやった。
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