第二章「クルセイド編」
第二十話「ツァーライト一味の闘争」
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げなポーカーフェイスを保つ。
それは紛れも無い努力だ。二人を助けようと走る努力だ。そして
「やれやれ……スプーキーとモールならともかくエレギオさんがそんなチリッチリになるのを見るのは初めてだよ」
天はそんなエレギオに救いの手を差し伸べた。
「クロスファントム、セットアップ。あの炎を吹き飛ばすよ」
「(了解しました)」
自らの愛器の声に満足気に頷くと、火事の外にいたその男はクロスファントムと呼ばれた双銃のデバイスを構えた。
「クロスファイアー……シュート!!!」
一瞬で何十発もの魔力弾を生成し射出する。見えないはずのエレギオを完全に避け炎だけを正確に、しかも何十発もあったとはいえただの魔力弾で吹き飛ばした。その男の技量の高さが窺える。
その男は炎を吹き飛ばしたその結果に満足気な顔になり朗らかな声を発した。
「大丈夫かい? エレギオさん」
炎によって焼かれたエレギオはゴホッ、ゴホッと咳き込んで片膝を突いた。そして恨めしげな顔になって今の魔弾を放った男を見上げる。
「たくっ……来るならもっと早く来いよぉ。お陰で死に掛けた」
「ハハハッ。まあ良いじゃないか。ちゃんと生きてるんだし。
エレギオさん以外だったら100%死んでたけど」
「ククッ……言いやがるなぁ。減らず口。
男前が上がったなぁ。ティーダ・ランスター」
ティーダ・ランスターと呼ばれたオレンジの髪をした男は爽やかに笑った。
−−−−−−−−
一方その頃。エレギオ・『ツァーライト』率いる『ツァーライト』一味が運営する、その概要を説明するだけで『ツァーライト』を三つも使わなくてはならない『ツァーライト孤児院』では。
「……そう、そんな事があってこの頃あの人達はこっちに顔出して来ないのね」
「うん、それに今ちょっと大変なことになってるから……エドさんも殺気立ってるし」
空色にも通ずる透き通った色の綺麗な髪をした少年マークは、色こそ違うが此方もまた透き通った紅い髪をした少女……と言っても六歳の少年マークよりは十くらい上だろうが……と話していた。何時もはやんちゃ坊主の声が騒がしい孤児院だったがもう既に夜は遅く、良い子は寝なくてはいけない時間だった。だからと言ってマークが悪い子、と言う訳ではないが。
紅い髪の少女は細い溜息をついた。
「はぁ……そんな事があるんだったら言ってくれればいいのに。あの人はまた一人で抱え込んで……」
「ハハ……でも大目に見てやってよ。今回はちょっと複雑な事情もあるし……」
「その『複雑な事情』が無い方が少ないでしょ?」
「そ、そりゃあそうだけどさ……」
「マッタクもう……そん
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