第二章「クルセイド編」
第二十話「ツァーライト一味の闘争」
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ハァ仕方ありませんね……。yes my lord
龍の魂が力、お貸ししましょう)」
「サンキューな相棒」
その言葉と同時にエレギオの脳内で激しい演算が展開され始めた。炎の密度。酸素の量。エレギオ自身の肺活量。リオンとフェイトの生命力。到底一人の人間では扱いきれぬとてつもなく膨大な演算。百を超える並列思考を持つエレギオも一人では脳がパンクしてしまうだろう。
だがエレギオは一人ではない。
インテリジェントデバイスドラゴンソウルと深く共鳴したエレギオの魂が演算の補助を脳内にまで引き寄せる。極限まで補助された演算が次々と課題を見つけ解決していく。完璧な演算と言っても差し支えあるまい。或いは究極でも間違いないだろう。
時間にして僅か三秒。その間に行なわれた演算は紙に書くにはあのフェルマーと同じく到底余白が足りないだろう。
「……見えたぜぇ。脱出への方程式!
行くぞドラゴンソウル!」
魔力での強化によって薄い膜を作られる。同時にエレギオは走った。燃え盛る炎の中に突っ込む。
エレギオも勿論人間だ。幾ら魔法で強化したとしても燃える炎の中に身を投じるのは怖い。一歩間違えれば焼死してしまう。だがエレギオはそんな恐怖はかなぐり捨てて走った。全ては一人の少年とその少年がつないだ一人の少女の命を助けるためだけに。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉオオオオオオオオオ!!!!!」
−−−−−−−−
「アイツッ! アンの馬鹿が!」
「エド。どうすんだ」
「決まってる……。オペの用意だ!
道具ありったけ持って来い! 消毒液もだ!」
ツァーライト一味アジトもまた戦場さながらの様子を見せていた。エドワードが腹の底からの大声で怒鳴り散らし他の面々があたふたと用意する。エドワードの不機嫌さは最高潮に達しており額に浮かんだ青く太く、今にも千切れそうな筋がその怒りの深さを窺わせる。
「ジャック! てめえは腕力あるんだから迎えにいって来い!」
「いや、その必要はねえ」
「なに……?」
ジャックは片手でくるくると器用に端末を回してニヤリと笑った。
「頼もしい援軍を呼んでおいた」
−−−−−−−−
エレギオとドラゴンソウルの演算にズレはなかった。
計算どおりリオンとフェイトは火に肌を1ミクロンも焼かれていないしエレギオへの被害も魔力の強化を巧い事流して最低限に留めている。
そう最低限に。
(おおお……予想以上にきついなコレ……!)
燃え盛る業火の、しかもエレギオはその中に魔力で穴を開けて通るなどと言う無茶苦
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