第二章「クルセイド編」
第二十話「ツァーライト一味の闘争」
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ってやろうとした。
だがリオンはまだ魔法を手探りでしか使えない。故にあの強化も理論を無視した無茶苦茶な公式で成立させて訳である。使用者の安全さえ守れないような無茶苦茶な公式を使ったのだ。それが何を引き起こすのかは明白。リオンはゆっくりと膝を突いて倒れた。
「リオン!? おい、しっかりしろ!」
「え、あう、う!?」
俄かには信じられなかった。リオンはフェイトの上に。丸で彼女をを守るかのように覆いかぶさって、簡単な言葉も忘れてしまったように赤ん坊のような言葉しか発せなくなっていた。リオン本人もその事に驚いたのか自分の口元に頑張って手を伸ばそうとしたが丸で届かない。腕のほうがリオンの意志を拒絶している……そんな風にさえ見えた。
だがエレギオはこの症状を知っている。これは魔法の自分の限界以上の使用による演算で脳にダメージがを受けたときの症状だ。今のリオンは歩く事も喋る事も、立ち上がることすらできまい。
「あ、あ、あ」
「……ッチ、神様よぉ。主人公が悲劇の少女助けたらそこで幕は下ろせよなぁ」
エレギオはドラゴンソウルを利用して通信を開いた。
「おいエド。聞こえてるか?」
『エレギオか、どうした? 何があった』
「急患だよ。人数は二人でっ!?」
その時風に煽られた燃える木が倒れエレギオたちの進路を塞いでしまった。すかさず天上眼で抜け道のルートを割り出そうとするが……
「……どうあっても逃がさねえってか? クソッタレめ」
『どうした』
「わりエド。怪我人一人増えるわ」
『ッ! テメそれどういう』
ブツッという音を立てて無理やり回線を切った。その顔は苦い笑いで満ちていた。この世の不幸を嘆く悪人のような、それでいて甘んじてその試練を受けようとする聖人の様な顔をしていた。とどのつまり『仕方がない』と全てを納得した顔だった。
「わりいなエド。でもよ……」
手早くフェイトの体を縛り上げて自分の背中におんぶの姿勢で固定しリオンを左腕で担ぐ。二人とも小柄な体系なのが幸いしてエレギオはそれでもある程度自由に動く事ができた。
「コイツがあんな覚悟を見せたんでなぁ。
俺も一人の『男』として……応えなきゃなんねえって訳よ。ドラゴンソウル」
「(マイロード、この火の中突っ切るつもりですか?
片手が封じられ背中にも荷重をかけている今貴方は満足に魔法を使えないのですよ?)」
「そんな論理で引き下がるの様な男か? お前が『ロード』って呼ぶ奴は」
「(……残念ながらそうは思えませんね)」
「ならわかるだろ。お前のやるべき事……頼むぜ相棒」
「(
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