無印編
第十一話 裏 (なのは)
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クラスの帰りのショートホームルームが終わるのはいつも最後だ。
そして、ショートホームルームの最中、隣からワイワイガヤガヤと何かから開放されたような声が聞こえた。
隣のクラスのショートホームルームが終わったのだ。隣のクラスが下足場に向かうためには必然的に第二学級の前の廊下を通らなければならない。だから、ばたばたと下足場へと向かう生徒がいる中で、幾人かは足を止め、第二学級が終わるのを待っている。おそらく、第二学級の友人を待っているのだろう。
こっそりと、廊下を見るなのは。もしも、その中に翔太がいれば、なのはは、安心できただろう。なぜなら、二年生になってから翔太が隣のクラスに顔を出すことなど滅多になかったのだから。つまり、彼が待っているということは、明確な用事があることに他ならない。まだ、昨日の約束を信じているなのはにとってはそれが最後の希望と言っても過言ではなかった。だが、だがしかし、その希望は脆くも無残に砕け散った。
廊下で待ち合わせているであろう面々の中に翔太の姿はなかったからだ。
しかも、第一学級の生徒たちは、全員もう教室から出て行ってしまったのだろう。つまり、翔太はなのはのことなど一切気に留めることなく帰宅したということだった。
その事実がなのはを打ちのめす。ああ、そうだ。信じた自分が滑稽だったのだ。
―――また、明日。
それはありふれた言葉。しかし、初めての言葉。舞い上がり、忘れていた。自分がすべてを諦めてしまっていたことを。しかし、昨夜、魔法という蔵元翔太でさえも適わない力を手に入れてしまったことも起因しているのだろう。彼から繋がれた手が、暖かい言葉がなのはに夢を見せていたにすぎないのだ。
魔法という力を手に入れようとも、蔵元翔太にとって高町なのははそこら辺の他人と変わらないのだろう。
結局、期待した自分がバカで滑稽だったのだ。
そう、そう思っていたからこそ、また、一年前と同じくせっかく手に入れた魔法も忘れて、すべてを諦めて同じように生きる屍のように過ごそうと思っていたからこそ、帰り際に背後から肩に手を置かれ、名前を呼ばれたときは、「ひゃいっ!?」なんて情けない声を出してしまった。もっとも、学校で帰り際で名前を呼ばれることなどなかったので、すっかり気を抜いてしまっていたことも少なからず原因ではあるが。
そして、振り返って、そこにいたのが、翔太であると確認したとき、思わず泣いてしまいそうになった。
彼が、社交辞令で「また、明日」と告げたわけではないと分かったから。確かな約束でなのはに告げてくれたことを知ったから。そして、そんな彼を疑ってしまった自分が情けなかったから。
その後は、泣きそうな顔を見られてしまったが、なんとか持ち前の演技力で誤魔化すこ
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