第77話 新たな家族の為に
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かっている両腕を俺の背中に回してきた。
「やっぱり温かい………」
「そうだろうな………これが人の温もりって奴さ」
「人の温もり………」
そう呟いて顔を埋めた。
「気持ちいい………」
「だけどお前はそれも手放そうとしているんだぞ、それでいいのか?」
埋めた顔を上げて俺を見るユーリ。
「………本当は嫌です。もっとみんなと一緒にいたい。色んな事をしたい!そして何より会ったばかりでさようならなんかしたくない………したくないよ………」
涙を流しながら俺に訴えるユーリ。
「だったら俺に任せろ。お前の運命なんて俺が変えてやる。奇跡を起こしてやるよ」
俺は目を閉じ、懐かしのじいさんに会いに行くことにした。
「ほっほ〜中々面白い事になっとるな〜」
目を開けるとそこには最初に会った時のじいさんがいた。
「そう言うって事は状況を把握してるって事だよな?だったら俺の願いも分かるな」
「うむ。しかし最後じゃぞ?最後の願いはそれでいいのか?」
「ああ、あいつだって俺の家族なんだ。みすみす消えさせてたまるか」
「そうか………あい分かった。この願いが完了すればもう儂と会うこともないじゃろ………そうだ、この際だ、サービスすることにしようかの………」
「サービス?」
「お前にはお前の知らぬレアスキルが備わっておる」
「はぁ!?何だそれ?何をしてんだ神様じいさん!!」
「儂じゃないぞ。それに儂だってきがつかんかったんじゃ………あやつと話すまではな。
「あやつ?あやつって………?」
「誰がやったかは教えられん。それが約束での」
「何だよそれ………」
「ただ、悪い能力では無い。あまり気にするな。必要になれば勝手に発動してくれる」
「気にするっての………」
俺が文句を言っていると体が透けてきた。
「では、そろそろ別れみたいじゃの」
「そうみたいだ………お世話になったな」
「なんの。これからも楽しみにしとるぞ〜」
神様にそう言われた後、俺は意識を失った。
「レイ?」
「ああ悪い。………じゃあ行くぞ、お前に奇跡を見せてやる」
俺はユーリから少し離れ、目を瞑って、いかにも詠唱を始めるような構えをする。
「………かの者を死の淵から取り戻せ、レイズデッド」
星逹の時と同じ呪文を唱える。詠唱を終えると、光の輪がユーリを包み込む。
「あれ………体が………」
消えかかっていた両腕も元通りになり、いつもと変わらないユーリがそこに居た。
「これでお前も星逹と同じだ。だけどその代わり、エグザミアは無くなったけどな」
「どういう事……
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