無印編
第十一話 後
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いうと、両親の説得という戦いには何とか勝利した。僕の粘り勝ちだ。
条件として、危険なときはすぐに逃げる。必ず携帯で定時連絡する。高町家に挨拶に行く。という三つが付け加えられたが。
最初は酷く反対されたのだから、ここまでに条件を緩和できたのだから大したものだと自負している。
ちなみに、魔法に関しては割りとあっさり信じてくれた。原因は、僕だ。小学生で高校生レベルの問題も少し習えば解けるなんて鳶が鷹を生むってレベルじゃないほどの異常さを見せる僕がいるから、魔法なんてもものもあっさり信じてくれた。
なるほど、と納得してしまう自分が憎い。
そして、夜、僕はベットに横になりながら、机の上のバスケットの中で寝ているユーノくんに語りかけた。
「ユーノくん、僕に魔法を教えてくれない?」
「え? いいけど、デバイスがないから大変だよ」
「それでも、何か一つに絞れば短い期間でも何とかならないかな?」
「まあ、それならなんとかなるかも……」
そう、僕は魔法を覚えたかった。
僕は関係者だ。でも、僕だけが何もできない。恭也さんと美由希さんは身体を張って戦う。なのはちゃんは主力だ。ユーノくんは、結界を張っている。僕だけがなにもしてない。ただの傍観者だ。僕が記録者ならいいかもしれない。でも、僕も当事者だ。ただ、見ているだけというのがとても口惜しかった。
レイジングハートが使えなかった僕が魔法を覚えるのは大変かもしれない。何もしなくても、ジュエルシードは順調に集まるのかもしれない。それでも、僕の中では何もしないという選択肢はなかった。
簡単な魔法でもいい。それでも、何かに役立つ魔法を一つでも良いから覚えたかった。もしかしたら、覚えられないかもしれないけど、それでも足掻きもしないというのは間違っているような気がした。
「それじゃ、明日の朝から頼んだよ、ユーノくん」
「うん、デバイスがないからきっちりいくよ」
「望むところだよ」
僕たちは寝床に入りながら、お互いに笑いあった。
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