無印編
第十一話 後
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の額に浮かんだのはギリシア数字で十六。
「リリカルマジカル……ジュエルシード封印っ!!」
なのはちゃんの呪文と共に桃色の光は太くなり、一気に魔力の塊を吐き出した。
――――GRUUUUUUUUUU
犬のような暴走体は、断末魔の叫び声を上げながら、桃色の光に分解され、直後に残ったのは、小さな犬と元凶である蒼い宝石―――ジュエルシードだけだった。
分解されたジュエルシードはまるで吸い込まれるようにレイジングハートに流れていき、赤い宝石の中に身を沈めた。
「えへへ、やったよ、ショウくんっ!」
嬉しそうに笑いながらぐっ、とガッツポーズをするなのはちゃん。
「うん、さすがだね。やっぱり、なのはちゃんはすごいな」
僕はそんな彼女に素直に賞賛の声をかけるしかなかった。
胸のうちに魔力を持っていながら、何もできなかった自分を情けないという思いを少しだけ抱きながら。
◇ ◇ ◇
その後は、解放された犬と気を失っていた飼い主さんを介抱し、飼い主さんが気づいた後に解散になった。
恭也さんと美由希さんは、魔法というものを目の当たりにして、その威力に驚いていた。しかし、どこか浮かない顔をしていたような気がするのは気のせいだろうか。
結局、恭也さんたちにはジュエルシード捜索に加わってもらうことにした。
確かに魔法という側面から見れば、恭也さんたちの協力は必要ないかもしれない。だが、それでも今日のことからも分かるように足止めや牽制にはなるのだ。その間に後ろでなのはちゃんが魔法を準備する。
ゲームで言えば、恭也さんたちは壁となる戦士で、後方で大きな魔法を準備する魔法使いがなのはちゃんだ。
さらに彼らがある程度、大人であることも僕たちにとっては有り難い事実だ。日が暮れた後に小学生だけで歩くのは危険だ。補導などのことも考えれば、小学生が夜に出歩くことは好ましくない。ただし、恭也さんか美由希さんがいれば、それは多少なりとも緩和される。
美由希さんは高校生だが、そもそも僕たちは小学生だ。日が暮れるまで探すにしても八時が限界だろう。ならば、高校生の美由希さんが保護者でも大丈夫だろう。もちろん、恭也さんのほうが大学生という身分から考えれば、歓迎なのだが。
さて、帰宅した僕には、本日最後の戦いが待っていた。
つまり、なのはちゃんの家と同じく、僕の両親の説得だ。
僕は現状、何もできない。だが、この事件のきっかけを作ったのは僕だ。ならば、力がある人が現れたから後はお任せします、というのはあまりに無責任すぎる。だから、せめてジュエルシードを探すことぐらいは、手伝おうと思う。暴走体との戦闘になれば、なのはちゃんたちに頼るしかないのだが。
結果から
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