無印編
第十一話 後
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う出来すぎたタイミングなのだろう。
高町家の面々には一度、着いてきてもらったらどうだろう? という提案をしようと思った矢先の出来事だった。都合がいいといえば、都合がいいのかもしれないが。あまりに出来すぎたタイミングは僕に不安を呼び込む。
だが、そんなことは考えていられない。なぜなら、これがジュエルシードの暴走した証だというのならば、今まさに昨夜のような思念体が街のどこかにいるということなのだから。
はっきりいって、話し合っている場合ではない。あんなものが、日中に街中で暴れでもしたら、どれだけの被害が出るか分からない。
だから、僕は先ほど提案しようと思っていたことをその場でぶちまけた。
「ジュエルシードが暴走したようです。正直、時間がありません。だから、とりあえず見に行きませんか?」
こうして、僕たちは準備をした恭也さんと美由希さん―――名前で呼ぶように言われた―――と共に反応がある場所へ急いだ。
◇ ◇ ◇
「すごい……」
僕の感嘆の呟きがその場のすべてを示していた。
ジュエルシードの反応を追ってやってきた場所は、海鳴市にある神社の一つだった。
恭也さんたちに背負われて―――その方が明らかに早い―――やってきた神社の鳥居をくぐると、その先に広がる開けた場所、その奥に神社。その開けた場所には、倒れた女性と四つ目の異形な形をした大きな犬のような怪物が存在していた。
ユーノくん曰く、あれが、生命体に取り付いたジュエルシードらしい。生命体を取り込んでいるだけに思念体よりも手ごわくなっているらしい。確かに、見た目からしてかなり恐怖感は感じられる。
ちなみに、僕たちが到着した直後にユーノくんが昨夜と同じ結界を張り、女の人はこの空間からいなくなった。
この空間にいるのは高町家の面々と僕とユーノくんだけだ。
「いくよ、レイジングハート」
一歩前に出るなのはちゃん。情けないことだが、僕には何もできない。魔力があろうとその扱い方をまだ知らない僕は足手まといにしかならない。だから、僕はなのはちゃんに頑張って、と後ろから声をかけることしかできなかったのだが、その一歩前に出たなのはちゃんを制する手が恭也さんから出た。
「なのは、下がっていろ。少しの間、ここは俺たちに任せてくれ」
それはつまり、彼らの強さが、あいつに通用するか確かめるということなのだろう。
「そんなっ……」
なぜか驚いているなのはちゃんだが、彼らはこのために来たのだ。だから、僕も後ろから肩に手を置いて、なのはちゃんを下がらせて、一言、頑張ってください、と告げた。
それからは怒涛の展開だ。
恭也さんと美由希さんが持っていた小太刀を二本構えたと思ったら、暴走体に
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