無印編
第十一話 後
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かった。
「―――僕からは以上です」
ぺこりと感謝の意も込めて頭を下げる。
僕が語り終えた後の高町家の反応は微妙なものだった。僕の説明は確かに詳細なものであり、妄想と切って捨てるには具体的過ぎるのだろう。しかも、その内容になのはちゃんも関わっているとなると、さらに判断は難しくなる。
さて、ここでもう一押しと思い、僕の膝の上に立っていたユーノくんに続きを促した。
「ご紹介に預かりました、ユーノ・スクライアです。お宅の娘さんを巻き込んでしまって申し訳ありません」
ペコリと頭を下げるユーノくん。だが、高町家の面々は、フェレットが頭を下げるという芸よりももっと度肝を抜かれたようであったようだ。
「……フェレットが喋った」
呆然とした様子でなのはちゃんのお姉さんが呟くように言う。当たり前だ。この世界では、動物が人語を喋ることはまずない。百聞は一見にしかずというが、これで少しでも魔法を信じてくれればいいのだが。
そんな僕の思いを汲み取ってか、ユーノくんはさらに説明を続ける。
「ショウが言ったことはすべて事実です。お願いします、なのはさんの力を僕たちに貸してください」
ぺこりとまた頭を下げるユーノくん。こんな状況でなければ、フェレットという小動物が頭を下げるというのは非常に愛らしい姿ではあるのだが。
さて、と僕は高町家の面々の様子を探ってみる。
正面に座ったなのはちゃんのお父さんは腕を組んで考え事をしているようにも思える。おそらく、先ほどまでの状況を整理しているのだろう。周りの家族はまるで家長の判断を待つように沈黙を保っていた。
やがて、なのはちゃんのお父さんが腕を解き、手を組んで僕を真正面から見てくる。
「君が言いたいことは分かった。魔法があるというのも事実なのだろう」
おや、思っていた以上にさっさりと認めてくれた。もう少し、説得しなければならないと思っていたのだが。もしかしたら、なのはちゃんに目の前で変身までしてもらわなければならないと思っていたのに。
「正直に言うと、俺は子供が危険なことに首を突っ込むのは反対だ」
「お父さんっ!?」
なのはちゃんがお父さんの言い方に驚いたような声を上げる。だが、子供に危険なことには首を突っ込んでもらいたくないと思うのは、親としては当然のことだと思う。たとえ、それが他人の子供であっても、だ。ましてや、魔法など得体の知れないものになればなおさら。
「だが、魔法というものはなのはや君でなければならないのだろう?」
「ええ、そう聞いています」
ユーノくん曰く、近辺に魔力を持った人間というのは僕となのはちゃんだけなのだ。もし、大人の人が魔力を持っているならば、その人に託しただろう。もっとも、その人の人柄
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ