無印編
第十一話 中
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だろう。彼らの報告を聞いて、ユーノくんは地球―――彼らの言い方でいうなら第97管理外世界に来たのだから。
「これで、僕の事情は以上だよ」
「なるほどね」
さて、一気に事情が分かっただけに少しだけ頭を整理する必要がある。
「それじゃ、質問だよ。時空管理局にすべてを任せるってわけにはいかなかったの?」
聞けば、時空管理局とは警察のようなものらしい。ならば、事故が起きた以上、しかも、運搬の途中ならなおのことユーノくんになんら責任はなく、時空管理局とやらに任せてしまっても良いような気がするが。
だが、僕の考えとは裏腹にユーノくんはどこか意思が篭った瞳をしていた。
「僕は、発掘の責任者だから。ジュエルシードが地球にばら撒かれたのは、僕のせいなんだ。だから、僕がなんとかしないと」
「いや、でも、運搬の途中で、しかも、事故ならユーノくんに一切責任はないでしょう?」
事故まで予測しなければならないとなれば、責任者はいくつ首があっても足りなくなる。
しかし、こうやって声を聞いていると彼は声変わりもしていない子供のような声なのに責任者をやっているのか。ユーノくんは異世界出身で、文化や習慣が違うはずだからそんなものか、と思ってしまうけど、現実的に考えると無謀だと思う。
「そうかもしれない。でも、ジュエルシードは危険なものなんだ。だから、管理局にすべて任せていたら被害が出るかもしれないと思って……」
「どういうこと?」
管理局とは時空管理局だと分かるが、それでも彼らに任せていると被害が出るというのが意味が分からない。
「管理局はとても大きな組織で、多くの時空を管理しているんだ。だから、とても初動が遅い。さらに言うならジュエルシードの封印がまだ効いていると彼らは思っている。僕も予想外だったけど」
巨大な組織ゆえの弊害らしい。しかも、どうやら、運搬時にジュエルシードにはきちんと封印がなされていた。だが、それが事故で弱くなってしまっているようだ。封印が効いていれば、危険度は格段に下がってしまう。しかも、魔法がない管理外世界だ。ジュエルシードが魔力に触発されて起動するとすれば、魔法がない管理外世界は、管理内世界よりも発動する可能性が低いと考えるのは妥当だろう。
これらの理由を考えれば、確かに管理局がいつまで経っても来ないことは理解できる。
ユーノくんも万が一、と思って地球に来たら、その万が一が起きていたのだから笑えない。なるほど、それならユーノくん一人でこの世界に来たことも納得だ。封印が利いている青い宝石を集めるだけのお使い程度の行動。確かに大人は必要ないだろう。
「なるほどね、了解したよ。なのはちゃんは何か質問ある?」
さっきからずっと黙って話を聞いているなのはちゃん
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