無印編
第十話 裏 (なのは)
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いた。
◇ ◇ ◇
なのはは帰って少しだけ両親から怒られた。夜に勝手に外に出るな、と。ただ、翔太のとりなしもあったおかげか、あまり怒られることはなかった。
怒られた後は、素直にお風呂に入って、ベットに横になる。もう、いつもの寝る時間は過ぎている。
だが、それでも、なのはの目は冴えていた。当然といえば、当然かもしれない。先ほどまで彼女は魔法という未知の力を手にしてバケモノと戦っていたのだから。
だが、なのはにとって目が冴えている理由はそれだけではなかった。
翔太からの「ありがとう」と「また明日」という言葉。なのはが欲しかった言葉。それを思い出すだけでも笑ってしまう。
「え、えへへへ」
ただの言葉だが、それが嬉しかった。ずっと手に入れたかったから。それを望んでいたから。ずっと手を伸ばし続けていたから。一度、諦めてしまっていたから。だからこそ、嬉しい。
これも全部、魔法の力のおかげだった。
「今日からよろしくね、レイジングハート」
ずっと握り締めていたレイジングハートに愛おしそうにちゅっと口付ける。
もしも、なのはの体力が無限大であれば、頭の中で今日のことをリフレインしていただろうが、あいにく小学生相当の体力しか持たないなのはに体力の限界が訪れていた。だから、今日はお休み。
一度、それを自覚してしまうと睡魔というのは、急激に襲ってくる。なのはが瞼を閉じる直前、手にしていたレイジングハートが何度か点灯し、赤い宝石の表面に文字を表示させる。
――――Good night. My Master.
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