第五章
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な、開発部がMOGMOGの各サイト訪問状況をチェックするために、極秘に開発したツールのインターフェースを、俺が可愛くいじったものだ。少なくとも、開発部のマスターデータがなければ、同じものは作れない』
「……情報ダダ洩れってことで」
『まだスネてんのかよ。…こういうプロジェクトに関わるソースは社外秘もいいところなんだぞ。外に洩れたりしたら企業の死活問題だ。特にこんな、誰がどこのサイト見てるのか分かっちゃうツールが流出したら…個人情報保護法に引っかかって、せっかく取ったPマーク抹消されちまう』
「Pマーク?」
『あー……うちは世界標準に則って個人情報ばっちり保護する企業ですっていう印だ。取るの超めんどくせぇんだよ』
「じゃ簡単だね。このままGoogleに現れなかったら……」
電話の向こうで、紺野さんが沈黙した。
『……そういうことだな』
「開発関係者が一枚噛んでる…ってことだね」
一瞬の沈黙をはさんで、僕は再び起き上がってイヤホンを耳に当てた。
「でも僕なら、もうしばらくはうろうろする」
『なんでそう思う?』
「…その人はMOGMOGαの存在を知っていて、何か目的があって行動を起こしていると思うんだ。仮に視覚化ツールを使っているなら、MOGMOGαを使っている僕にも気がついただろう……なら僕が、あれと接触した瞬間、急にオフラインにしたことを不審に思ったはず……だから」
一拍おいて、ぬるい缶コーヒーをすすった。
「その人も、僕らが『視える』ツールを使っていることに気がついてるよ」
紺野さんの反応を待ってみた。…何も話してこない。多分今、ツールを使える開発関係者のプロフィールが頭の中で渦巻いているはずだ。…僕は補足程度に、付け足した。
「自分も『視えている』ことを僕らに悟られると、犯人が会社関係者に絞られて、足がつくだろ。だから接続のペースを落として、Googleでの滞在時間を短くして、徐々にフェードアウトしていくんじゃないかな。僕たちと接することがないように、細心の注意を払いながら」
『……じゃあ、あいつがフェードアウトするまでに見極める方法はないのか』
「憶測…ってレベルでよければ」
また沈黙。僕は促されるままに話しはじめた。
「googleってさ、使う人の用途がとてもはっきりしていると思うんだ」
『…検索、と地図表示。それとGoogleの機能自体、キリがないくらい使い込める』
「そう。だからGoogleを使う人の、サイト内での行動パターンは似通ってくると思う。例えば検索なら、検索ワードをいくつか打ち込んで、ヒットしたサイトを5〜6件覗いてみて、満足いかなかったら検索ワードを追加したり、検索オプションをいじってみたり。機能の使い込みなら、長い時間googleに滞在するだろうし」
『……俺たちの回避に気をとられ
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