第五章
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本体に差す。『紺野 匠』の表示がチカチカ光っているのを確認して、着信のボタンをクリックする。
「……はい、姶良」
僕の声に反応するかのように、『TV電話画面』が勝手に立ち上がった。うわ、何だよもう、TV電話設定なんて一度も使ったことないのに!うわ、頭くしゃくしゃだよ!僕は慌ててパーカーのフードをかぶった。
『あはあははははははバーカバーカ、なにインストールしてんだよ!!』
僕を迎えたのは、謎の少女の大爆笑だった……
IP電話かけてくるような女子はいない筈だけど…不審に思い顔を上げると、TV電話の画面に映っているのは、紺野さんのMOGMOG、ハルだった。
ハルはただ無表情に、口をぱくぱく動かしていた。たまにアンテナを触ったり、手をぶらぶらさせたりしながら、無表情に大爆笑を続けている。
…………なに、この子?
『すげぇだろ。ハルが喋ってるみたいじゃね?これもMOGMOGα限定の機能、キャラ電だ。ボイスチェんジャー機能も搭載してるから、まじでリアルだろ?あとで使い方説明書送信してやるよ』
「……あ、紺野さん……これ表情も多少連動させたほうがいいよ……なんか気持ち悪いよ」
『ははそうかそうか…それより』
…紺野さんが一呼吸おいた。首の後ろがチリチリする。僕は何か忘れているような…
『オメー今エロ着せ替えインストールしたろ!……このムッツリ野郎が!』
………ち、畜生……!!
「……僕のIPアドレス抜いてたな!!」
『当然だ。言っておくがモニター全員分のIPアドレスを抜いてある。特にお前のインストールが確認された時点で、派手にファンファーレが鳴り響くようにしておいた』
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…………やられた………
再び、ばふんと横ざまに倒れた。あぁ…ハルになじられてるみたいで居たたまれない…
『でも残念だったな』
「……何が」
『見れなくて』
「うるさいよ! 追い討ち掛けるためにわざわざ電話してきたの!?」
『……作ってやろうか?エロいバージョン』
「要らないよ!」
『じゃあ特別に、ハルの声でエロい事言ってやろう……お兄ちゃあ〜ん♪ お兄ちゃんの100本ある触手で、ハルをめちゃくちゃにしてぇ♪』
「マニアック過ぎて気持ち悪いよ!それに僕はどんな生き物って設定だ!!」
『らめぇぇっ!』
「……気が済んだなら切るよ」
『あははは……ところで話は変わるが、例の件だ。進展は?』
…あ、まじめな話を始めると、ツンデレキャラみたいでイイ…とか思いかけて、ぐっと気を引き締める。
「……あれから見かけなくなったよ。まぁ、まだ2日にもならないし、もう少し様子を見てみるけど……ビアンキとのやりとり、相手も見てたのかな」
『そんな筈、ないけどな。…そもそもMOGMOG視覚化ツールは
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