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とある英雄の逆行世界
幼年期編
閑話
その夜
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《ヒーロー》にはなれない。英雄の物語には最後に必ず悲劇が待っている。

 だけど彼女が望み、手繰り寄せるのはハッピーエンドだ。悲劇なんていらない。
 
 だから彼女は英雄には絶対にならない。


 故に彼女の物語はただの女の子の話だ、どこにでもいるありふれた女の子の話。

 …けれどそれは誰かにとっては英雄譚だ。もし彼女をあえて英雄と呼ぶのなら彼女は異端の英雄と言えるのかもしれない。

 
 ―――悲劇で終わらない新しい形の英雄譚、時を逆行してきた彼女はそんな物語の主人公(ヒロイン)英雄(ヒロイン)なのかもしれない。

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