第33話 史上最大の侵略
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。そう思われていた時、作戦室にアンヌとフェイトがやってきた。
「隊長、ダンが目を覚ましました」
「そうか…だが、今はとても喜べる状況ではない」
「それって一体…あ!」
フェイトがモニターに映っているクロノを見て声を上げた。何故彼がモニター越しに映っているのか? フェイトには全く分からなかった。
「見ての通りだ。クロノ君は今敵に捕まって洗脳されているんだ。我々は敵の基地を見つけ出そうと駆け回っているのだが、もう手遅れかも知れん」
「隊長…」
ガクリと肩を落とすキリヤマ隊長。その時、捜索に向かっていたフルハシ達が戻ってきた。その顔には生気が宿っている。
「隊長! 見つけました。奴等の基地は火山の真下にあります!」
「そうか、よし! 直ちにマグマライザーに爆薬を積んで突撃させろ!」
「待って下さい! それじゃ捕まってるクロノ君はどうするんですか!」
フェイトが異議を唱える。
今クロノはゴース星人の手にある。基地を爆破すると言う事は彼を見捨てることになる。
フェイトにはそれは出来なかった。あの時、クロノが居なかったら今頃自分はどうなっていたか。
「フェイト…」
「キリヤマ隊長。お願いです。クロノ君を助けて下さい!」
「残念だが…それは出来ない」
フェイトの頼みもキリヤマ隊長は聞き入れてはくれなかった。
「そんな、どうしてですか?」
「我々とて彼を助けたい…だが、もう時間がないんだ。後30分もしたらゴース星人は東京を破壊する。今攻撃しなければ間に合わないんだ。人類数億人の命と一人の少年の命を天秤に掛ける訳にはいかない」
それは余りにも非情な決断であった。誰もがクロノを助けたい。だが、その為には東京に住む人口全てを見殺しにしなければならない。それは出来ない。余りにも辛い決断であった。
「でも、でもそれじゃリンディさんが…」
【私は構いません。お願いします、キリヤマ隊長】
「リンディさん!」
会話に割り込むようにモニターに映ったリンディが言った。
【話は聞いていました。彼の事は構いません。一刻も早くゴース星人の基地を叩いて下さい】
「あんた…クロノは自分の息子だろう? それを見殺しにするってのかい?」
【あの子一人の命と数万人の人間の命を考えたら答えは出てくるわ。それに、あの子も執務官となった日からこうなる覚悟はあった筈よ】
リンディが言い放った言葉は余りにも冷たかった。実の息子を見殺しにしようと言うのだから。その発言を聞いたフェイトは落胆し、アルフは激情した。
「ふざけんな! あんたはあのプレシアと同じだよ! あんたは酷い母親だ!」
【そうね、私は酷い母親ね。たった一人の息子を一人地球に送り込んで、今度は見殺しにしようとしている。でも
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