第74話 激戦を終えて………
[9/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「別の意味?」
「主に俺の大怪我とか知れたら絶対に殺されると思う………少し前に説教されたばかりなのに………」
そう思うと自然と体が震えてきた。
特に星の説教は精神をやられる………
「あの………零治?」
そんな俺に心配そうに話しかけるキリエ。
「ん?ああ、悪い。ともかく付き合ってもらうって事でいいか?」
「ええ、構わないけど………」
「はぁ………マジでどうなるのか………」
そんな鬱になってる零治を見て………
「零治の家族ってどんな人かしら?」
キリエはとても不思議に思ったのだった。
「眠れないな………」
キリエと話をした後、病室に戻って布団に入ったが、寝ていた事もあってか全然眠くない。
「それに対してアギトはぐっすりだな………」
アギトは静かな寝息を立ててクッションの上で寝ている。
「寝顔も可愛いこと………」
頬をツンと触るとくすぐったいのか少し動いた。
その仕草も可愛らしいな。
「少し飲み物でも飲むか」
俺は静かに布団から出た………
暫く歩いていると人影が見えた。
大きさから大人では無いのだろう。
「ユーリ?」
「はい?」
髪が金髪だったのでユーリかと思ったから言ってみたがどうやら当たりだったみたいだ。
「どうしたのですか?」
「少し眠れなかったからな。隣いいか?」
椅子に座っていたユーリの隣に座る。
「ユーリはどうしたんだ?」
「私も眠れませんでした。今日はとても楽しかったので………」
そう言った顔を昨日の出来事を思い出してるのか自然と笑みが溢れてた。
「こんな経験初めてでどうすればいいか分かりませんでしたけど、みんなも優しくしてくれましたし、楽しくお喋りも出来ました………」
「そうか………」
「初めてクッキーも作りましたし、お好み焼きも食べました。こんな経験が出来るとは思ってもいなかったので………」
そうだよな、自身の力を制御できずに暴走していたんだもんな………
「あの時、レイの攻撃を受けたとき、心に光が灯りました。暖かくて、安心できる………あの時初めて私にも希望があるって思えたんです。レイ、本当にありがとう。レイ逹のおかげで私は今とても幸せです」
笑顔で頭を下げるユーリ。
「ああ、どういたしまして………」
その笑顔を見れただけでも頑張ったかいがあったよ。
「そしてもう一人の私を救うのも頑張りたいと思います」
そう言ってイスから立ち上がる。
「では、よい夢を」
そう言ってユーリは行ってしまった。
俺の頬にキスをして………
「全く、敵わないな………」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ