第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第12話 朝食風景
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バサが何か言いたげな雰囲気で俺を見たような気もしますが、そんなモンは無視。
そもそも、学院の使用人に有る程度の付け届けを行うのは、悪い事では有りません。
後に何か有った時に便宜を図って貰いやすく成りますし、使用人たちからのタバサ自身に対する待遇も良くなって来る可能性も高く成りますから。
「そうなのですか、ミス・タバサに因る指示でしたか。それでは、後ほどメイド長の方から正式に御礼が伝えられると思います。
ミスタ・コルベールから聞いた話では、ミス・タバサの使い魔の方からの差し入れだと言う話だったので、私が代表して御礼を申し上げに参りましたのですが」
そう答える黒髪のメイドさん。確かに、コルベール先生は事実をそのまま告げただけです。そこに付加価値を見出したのは俺の方ですから、少々話が食い違うのは当然。
「御礼なら必要はない」
しかし、タバサは非常に素っ気ない言葉でそう答えた。取りつく島の無い、と表現するのがぴったりな、彼女に相応しい御言葉、及び雰囲気で。
……って、これは非常に彼女らしい対応なのですが、流石に問題があるでしょうが。
「メイド長からの御礼のような大げさな事は必要ない、と言う事です。
貴女がたの気持ちは、朝一番に来てくれた事で理解出来ましたからね」
一応、フォローをして置くべきですか。それに、この程度の事で喜んで貰えるのなら、何かついでが有る時に、お土産を差し入れても良いかも知れませんしね。
「そうなのですか。それでは、メイド長の方からの御礼は止めて置きますね」
黒髪のメイドさんが少し緊張したような面持ちから、柔らかい表情に変わった。これは、丸い豆腐も切り様で四角と言う事です。実際、タバサ自身は御礼など面倒だから必要ない、と言う意味で言ったのでしょうけど、それも、どう言った言葉で伝えるかによって、相手が受ける印象は変わりますから。
「あ、シエスタ。後でいいから、わたしの部屋に寝ている使い魔に、食事を持って行ってくれる。筋肉痛で動けなくて寝ているから」
俺との話が終わるのを待っていたルイズが、その俺に御礼を言いに来たメイド……シエスタと呼ばれた少女にそう言った。
……って、言うか、ここは英語圏かと思っていたけど、スペイン語圏なのでしょうか。
タバサは確か英語圏の女性名だったと記憶しているのですが。
再び席に着いた俺をじっと見つめるタバサ。
【少しやり過ぎたかいな?】
一応、そう聞いて置く俺。
それに、確かに、少々やり過ぎた感は有りますか。しかし、使用人に対して多少の付け届けを持って行くのは必要な処置だと思いますけどね。
俺の【念話】での問いに、しかし、首を横にふるふると振って答えるタバサ。
これは否定。ならば、彼女もその
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