第一部「数奇なる騎士」
第04話「拳と杭」
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があるだろうに…」
ライもまた、ため息混じりに言った。
***
数時間後、個人用の応接室。
ライがライトに説明を求めた所、アダムが現れ、何かを察したようにここへライを連れてきた。
そして、彼がEOTI機関から持ち出したというグランバインの資料を、ライに全て見せた。
「それでは、やはりこれは…」
「そう、このレポートの通り、ブラックホールエンジンには、かろうじて火は残っていてね、胴体と頭部の修復、コックピットから何から改装工事、馬鹿でかいテスラ・ドライヴの搭載、Mk-Uからのパーツ流用を経て、ようやく完成したのがこのグランバインだ。」
アダムが、自作のレポートを見せながらライに言う。
「しかしいいのですか?このような極秘資料を自分に…」
ライが尋ねてみる。
「構わないさ。もうプロジェクトはMk-Uに移ったし、テストパイロットの君には伝えても問題はないと判断したまでだよ。…君の左腕のことが分かっているなら、尚更。」
「…」
アダムの言葉で、ライは黙り込んだ。
***
「模擬戦?」
ブリーフィングルームで、リュウセイが言った。
「ああ、宇宙、正しくはリクセントからATXチームがこの伊豆にやってくる。そこで、お前のR-1とライのR-2、そしてグルンガスト弐式の性能チェックも兼ねて、ATX各機と戦ってもらう。」
青髪で長髪の男、イングラム・プリスケン少佐が簡単に説明する。
「少佐、グルンガスト弐式には誰を?」
ライが説明を求める。
「詳しいことは追って説明する。模擬戦までは休息としておくから、それまでに各自機体のチェックをしておけ。」
イングラムが言った。
「…」
ライは、まだ納得のいかないようだった。
***
「じゃあ、ブラックホールエンジンは…」
イルムが顔をゆがめる。
「はい、取り除かれてはいません。最初に乗ったときも、最悪の場合機体そのものが消滅する爆発が起きると…」
ライトが言う。
「そうか…俺の経験からの推測じゃ、ブラックホールキャノン一発もたんな…」
イルムは、複雑な表情で言う。
「ライトフォード・シラヌイ曹長。」
そこへ、イングラムが現れる。
「すまんが、君に頼みがある。明後日にSRXチームとATXチームで模擬戦をすることになった。そこで、君に記録を頼みたいのだが。」
イングラムが言った。
「自分は構いませんが、なぜ?」
ライトが尋ねた。
「カイ少佐とアダム中尉に聞いたところ、君達アマテラス小隊は、訓練後に戦闘データをまとめて提出しているそうだな。そこで、今回の模擬戦のデータをまとめ、モーションパターンに
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