第3話:激突!もう一人の魔法少女
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「―――ッ!?」
なのはは近くで起きた、ジュエルシードのほんの僅かな反応を感じとり、表情を変える。子猫を抱きかかえてスキンシップを取っているすずかとアリサは、その表情の変化に気付いてはいなかった。
先ほどまで足元で他の子猫たちに追い回され、やや疲れた様子でなのはの膝の上にいたユーノもスクッと立ち上がり、なのはの顔を見上げる。
(ユーノ君、これって……)
なのははユーノの顔を見て念話を送る。
(うん。間違いない、ジュエルシードだ。…どうする?)
(え、ええっと…)
なのははすずかとアリサの顔を見やる。どうにかして自然にこの場を抜け出す方法を考えるも、焦燥感に駆られて妙案が思いつかない。
そこで見かねたユーノは膝の上から地面に飛び降り、反応がしたと思われる森林地帯へ走って行った。
「ユ、ユーノ君!? …あっ!」
なのはは突然のユーノの行動に驚くもその意図を汲み取り、椅子から立ち上がる。
暫定的とはいえ、フェレットが飼い主であるなのはの元を離れ、なのはの目の届かない場所へ行こうとすれば、なのはは席を立ってそれを追わざるを得ない。小動物を飼っていればよくあることだし、実に自然な流れだ。
「あれ、ユーノ、どうかしたの?」
アリサが訊ねる。
「う、うん。何か見つけたみたい。…ちょっと探してくるね」
「一緒に行こうか? うちの森、結構広いし…」
「大丈夫、すぐ戻ってくるから――待っててね!」
すずかもなのは一人で行くことを心配するが、何も知らない大切な友人を、危険が伴うかもしれないジュエルシードの封印に連れて行くわけにはいかない。やんわりと断ってから、なのははユーノを追う素振りで森林へ入って行った。
しばらく森林を走っていると、先ほどと似た魔力の反応を感知した。どうやら、何者かがジュエルシードに触れたようで、完全に発動したようだ。
「――ッ! 発動した!」
「まずいな、ここじゃあ人目が……結界を張らなきゃ!」
ユーノが足を止め、意識を集中させる。
結界魔法。通常の空間から一部を切り取って、その外部の空間と隔絶させる魔法である。主に魔法を用いた戦いや訓練が、周囲に被害を与えたり目撃されないようにするために使われる。幸いにも、この系統の魔法はユーノが得意とする分野でもあった。
「結界…?」
「僕が、それなりに得意な魔法!」
白い魔法陣が地面に出現し、月村邸の敷地程度の範囲を結界が覆い尽くした。結界内であることの証明のように、あたりの風景に一瞬だけだが若干セピア調がかっていた。
結界を張り終えた直後、なのはの背後でドーム状に閃光が走った。
なのはが振り向いて光の方角を見ると、中か
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