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ドワォ青年リリカル竜馬
第3話:激突!もう一人の魔法少女
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つ言う。
 実はジュエルシードの被害から街を復興させるため、資金や人材を率先して提供していた月村家やバニングス家に級友を持つなのはが、赤貧に苦しむ竜馬や鳥竜館の面々を、作業員として一時的に雇用してくれるよう、両家の友人に打診していたのだ。
 竜馬たちが持ち前の身体能力を披露すると、即時に採用が認められた。
 そうして臨時のアルバイトの形で雇用された竜馬たちは、道路やビルの補修作業を順調にこなしていき、元々急ピッチで進める予定だった海鳴の街の復興が、予定よりも更に早くなったのだ。
 その時に稼いだ報酬があるおかげで、現在鳥竜館では満足な食事が摂れるようになったのである。

「これで残るは、借金の問題だけというわけだ」
「うむ…流石に今回の報酬だけでは、我らの当分の食事で手一杯…。借金返済も早くしなければな」

 巨漢は腕を組み、再び当てもない借金返済の手段について考えながら言う。
 元々、復興の報酬で借金を返す案もあったのだが、膨れ上がった多額の借金の一部を返しただけで全額無くなってしまう試算が出たため、今回は自分達の食事を優先させることにしたのだった。

「…我らもいつまで、鳥竜館の四天王をやっていられるのだろうなぁ……」
「おいおい、何を弱気になっているんだ。せっかく金が入って、これからだというのに。…ほら、師範のお食事の準備ができたぞ、持って行ってくれ」
「ああ、すまんな…」

 配膳された食器の乗った銘々膳を青年から渡され、巨漢は朝食を待つ竜馬の元へと運んでいく。

「…しかし、これからどうしたものかな……」

 廊下を歩きながらこれからの鳥竜館の行く末に不安を感じる巨漢だったが、その不安が比較的早くに解消されることを、このときはまだ知る由もなかった。














 朝食を摂った竜馬は仏堂で仏像を背に座禅を組み、瞑想に入るかのように目を瞑る。
 竜馬の意識は今、ゲッター1によって構築されたシミュレーション訓練用の仮想空間中にあり、竜馬自身の体も、現実のそれと同様に忠実な再現が成されている。
 竜馬の目に映る風景は、切り立った岩山を中心とした山岳地帯。緑は比較的少なく、黄土色の岩肌が目立つデコボコとした地形である。
 竜馬は辺りを見渡して予定通りのシチュエーションかどうか、自身の全身に触感や痛覚などの五感があることを確認する。特にこれといった問題は無いようだ。

『データベースに接続、エネミーデータのロードを開始――』

 構築したプログラムに異常がないことを確認すると、竜馬は目を閉じ全身の力を抜いて意識を集中し、ゲッター1は引き続き訓練プログラムの準備を進める。
 仮想敵として過去に竜馬が戦った、ハ虫人類と呼ばれる種族の国家、恐竜帝国の尖兵――通称、恐
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