第3話:激突!もう一人の魔法少女
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「…まったく、しょうがないわね。すずか、ちょっと見に行くわよ」
「うん!」
アリサとすずかは子猫たちを残して席を立ち、なのはの向かっていった方角の森林へと足を踏み入れたのだった。
舞台をなのはが少女と交戦している森林へ戻す。
なのはは少女の度重なる斬撃を、飛翔するなど立体的な動きで躱していくが、ついに避けきれず、咄嗟にレイジングハートの柄で迫りくる刃を受け止めた。
その時、なのはが間近で見た少女の顔は、感情というものが欠如しているような、まるで人形のような無表情だった。
「どうして…! どうしてこんなことを…!?」
なのはは突然攻撃してきた真意を少女に問う。少女はしばらく押し黙った後、口を動かす。
「答えても……多分、意味がない」
「…!」
少女が小さくそう呟いてから、なのははレイジングハートを押し込んでバルディッシュを弾き、すかさず後退して少女との距離を開く。
なのはは子猫を背に守るように着地し、少女は再び木の枝に乗る。そして、少女は刃を消してバルディッシュを鎌から戦斧の形状に戻し、切っ先をなのはに向ける。なのははレイジングハートをシューティングモードに切り替え、少女と同様にその先端を向けた。
『Divine buster set up』
『Photon lancer get set』
両者のデバイスは互いに射撃魔法の発射体制に入り、なのはと少女も互いに睨み合う。まさに一触即発、先に隙を見せた方が敗北するであろう、精神力の戦いである。なのはは未だ9歳、少女も同い年程度と考えると、とても年齢相応の戦いとは思えなかった。
そんな息詰まる状況に、予想だにしない闖入者が存在した。
「なのはちゃーん!」
「なのはー! ユーノー! どこ行ったのよー!」
「――ッ!? あの声――」
なのはの鼓膜を、愛すべき親友たちの声が震わせたのだ。
先ほどユーノが結界を張ったため、外部からの侵入は不可能なはずだった。少女が魔導士で、結界の範囲内に先に入っていたため侵入を許したのだとしても、魔法も使えないアリサやすずかの侵入を許すなど、おおよそ有り得ない状況であった。
「アリサにすずか!? まさか…そんな、結界は張ったはず――クソッ、完全じゃなかったのか、こんな大事な時に!」
ユーノはなのはに結界魔法は自分が得意な魔法であると豪語しておきながら、致命的な失敗をしてしまった。ユーノの脳裏に後悔の二文字が浮かび上がり、同時に自責の念に駆られた。
しかし、そうしたところで状況はなのはの味方をしてはくれない。親友の声に動揺したなのはは、迂闊にも声のした方角を向いてしまい、少女に対して
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