第3話:激突!もう一人の魔法少女
[11/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
面に魔力の盾を形成し、光弾を打ち消していく。
「――ッ、魔導士…?」
少女は自分以外の魔導士がこの場に居たことにやや驚くが、すぐに思考を切り替えて光弾を連射し、子猫の足元を狙う。
「ひゃあっ!?」
足元を狙われたことで子猫はついにバランスを崩し、近くの木々をなぎ倒しながら倒れこんだ。子猫の背を足場にしていたなのはは勢いよく宙に放り出されるが、飛行魔法を使ってゆっくりと着地する。
なのははすぐに少女を見据え、剣道での竹刀のようにレイジングハートを構えて相手の出方をうかがう。
対して少女は一気に接近し、なのはの頭上の木の枝に立ってなのはを見下ろす。
「同系の魔導士――ロストロギアの捜索者か…?」
少女はなのはに訊ねるが、なのはは少女の佇まいに圧されたのか言葉を詰まらせる。
「間違いない…僕と同じ世界の住人…! それに、ジュエルシードの正体を…!?」
ユーノは驚いていた。竜馬と出会った時もそうだったが、管理局の手が届いていない管理外世界であるこの地球で、魔法を扱う魔導士が活動していることなど滅多にないのだ。加えて、この少女はジュエルシードが何であるかも知っている様子ではあるが、ユーノと同じように危険だから回収に来た、という雰囲気でもない。
考えられるのは、ジュエルシードを悪用するために集めているという可能性が、現時点では一番高かった。
『Scythe form set up』
バルディッシュの斧の刃に当たる部分がスライドし、金色の魔力刃が発生して鎌のような形状を取る。刃を出したということは、交戦の意思があることを示している。
「申し訳ないけど――ジュエルシード、頂いていきます」
そう言うと少女はバルディッシュを構えて突撃、なのは目がけて刃を振るった。
「…ねぇアリサちゃん。なのはちゃん、遅くない?」
森林地帯に入って行ったなのはをアリサと共に見送ったすずかは、なのはの帰りが遅いことを心配する。
「そうねぇ…確かに、なのはがユーノを追っかけて行ってから、何十分か立ってるわね…」
アリサは右腕の若干高そうな腕時計を見て言う。
「…まぁ大丈夫とは思うけど、なのはのことだから何かのっぴきならない状況になって、無茶してるってのも考えられるわね……」
「でしょ? ねぇ、見に行ってみようよ…」
「う゛〜ん、そうねぇ・・」
アリサは腕を組んで少し考える。なのはは昔から――と言っても知り合ったのは一年生の頃だったので二年ぐらいの付き合いでしかないが――何か一人で抱え込む節があった。幸いにも最近はそういうことは少なくなっているが、また何か妙なことを一人で勝手に抱えている可能性も否定できなかった
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ