第3話:激突!もう一人の魔法少女
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を告げると、なのはは疲労のあまりへなへなと地面に座り込む。
五分の休憩を挟んだとはいえ、坂道を走り込んだ後に中腰になって正拳突き百本は、運動があまり得意でないなのはにとって、中々きついメニューだったようだ。
「…りょ、竜馬さん…ちょっと、いいです…か?」
「何だ?」
「息も絶え絶えになりつつも、なのはは自分の中の疑問を打ち破るため、竜馬に訊ねる。
「わ…私は、魔法の訓練を…お願いした、つもり…だったんです、けど…」
「今のお前には基礎体力が足りてねぇんだ、そんなやつに魔法で教えられることなんかねぇよ」
「で、でも…」
「悔しかったら、この程度で息が上がらないようになってみろよ。じゃあな」
竜馬はそう言ってバッサリと切り捨てると、なおも意義を唱えようとするなのはを尻目に、飛行魔法で鳥竜館へと飛んで行ってしまった。
「あ、ちょ、竜馬さん!」
なのはは飛び去る竜馬へと思わず手を伸ばして引き留めようとするが、竜馬はあっという間に姿を消してしまった。
「あうぅ…」
「…なのは、しばらく休んだら帰ろう? 魔法なら、僕が教えられる限り教えてあげるからさ」
「うん、ありがとうユーノ君…」
ユーノに慰められたなのははひとまず切り株に腰掛け、少しだけ休憩してから帰路に着くのだった。
「師範、お帰りなさいませ」
「おう、戻ったぜ」
竜馬が鳥竜館に戻ると、四天王の巨漢が出迎えのために姿を現した。
「朝食のご用意はできておりますので、すぐにお運びします」
「おう、ありがとよ」
「…ところで師範、なのはちゃんの様子はどうです?」
巨漢はこっそり竜馬に耳打ちし、なのはの訓練の経過を訊ねる。
「…まだ今はひいひい言ってるが、剣術の家系だ、素材は申し分ねぇ。剣術は前に諦めたとか言ってやがったが…突きを見る限りじゃ、あいつは剣術よりも格闘向きなのかもしれねぇな」
竜馬は意外にも、なのはについての感想を事細かに語り始めた。尤も、その内容をなのはに向かって直接言うことはないだろうが。
「…師範。今のあなたはとても嬉しそうな、いい顔をしておられる。余程、なのはちゃんを鍛えるのが楽しいと見えますな」
「ヘッ、うるせぇよ。…オラ、さっさと飯だ飯!」
「フフッ、承知!」
竜馬は照れくさそうに言いながらも、満更でもなさそうな表情を見せていた。
「おぅいお前ら、師範のお食事をご用意するぞ」
「おう! …しかし、こうやって朝飯が食えるのも、なのはちゃんが我らに仕事を紹介してくれたおかげというものだな」
「うむ、ありがたいことだ」
四天王の青年が竜馬の朝食を配膳しながら、食事を摂れるありがたみをひしひしと感じつ
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