永遠の絆
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硬いものであった。
「わかっているな」
「当然だ」
タイタンは言葉を返した。
「俺はこの時の為に地獄から甦ってきた」
「それは俺も同じ」
彼等の目に炎が宿った。
「どちらがあの男を倒すか、勝負だ」
「うむ」
タイタンとシャドウは互いをみやった。
「俺があの男を倒す」
「それは俺の言葉だ」
二人は睨み合った。だがすぐに視線を外した。
「先にあの男を倒した方が勝ちだ。よいな」
「望むところ」
タイタンとシャドウはまるで敵同士の様に対峙していた。シャドウが正面を向くタイタンの後ろに回り込む。
「では俺はすぐに動かさせてもらおう。悪いがこれで失礼する」
「行くがいい。だが奴を倒すのは俺だ」
指令室を去ろうとするシャドウにそう言葉をかけた。
「ではな」
そしてシャドウは指令室をあとにした。タイタンだけが残った。
タイタンはベルを鳴らした。すると数名の戦闘員が入って来た。
「百目タイタン、お呼びでしょうか」
彼等は敬礼をした後そう尋ねた。
「怪人達はどうなっている」
彼は戦闘員達に問うた。
「既に準備は整っております。後は百目タイタンの指示を待つだけです」
「そうか」
タイタンはそれを聞いて頷いた。
「ではすぐに出撃だ。そしてあの男の首を取るぞ」
「わかりました。ところであれはどうしましょうか」
「あれか」
タイタンはそれを聞き考える目をした。
「連れて行こう。だが我々と離れてな。いざという時の切り札だ」
「わかりました」
戦闘員はそれを聞き頷いた。そして前に出て彼等の間に入ったタイタンの後ろに回った。
「行くぞ」
「ハッ」
タイタンは指令室を後にする。その後を戦闘員達が続く。
彼等は基地を出た。そしてタイタンを先頭に岩山の上を進んでいく。
「早いな。もう動くか」
シャドウはそれを上から見下ろしていた。
「我等も動きますか」
傍に控える戦闘員が問うた。
「そうだな」
シャドウはそれを聞き不敵に笑った。
「ここは奴に花を持たせるとしよう。いや、お手並み拝見か」
「といいますと」
「我等が動くのはあとでよい。まずは奴等の戦いが終わってからだ。よいな」
「わかりました」
その戦闘員はそう言って敬礼した。
「では戻るぞ。そして戦いの用意だ」
「ハッ」
シャドウ達はそこから引き揚げた。そしてあとには岩山から出る硫黄の煙が立ち込めていた。
このシチリアは大規模な農園が多いことで知られている。特にオリーブの栽培は有名だ。
彼は今そこにいた。そしてオリーブの木々の中を歩いている。
「そういえば今までオリーブの木は見たことがなかったな」
彼はその木を見上げて言った。
「こんなのだったのか。そしてここからオリーブ油がとれる」
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