永遠の絆
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忠告した。
「警察がか」
彼はそれを聞き顔を顰めた。
「そうだ。少し姿を隠した方がいいな。何処かの綺麗なホテルにでも」
「わかった、そうしよう」
こうして彼はとあるホテルに身を隠した。一時のつもりだったがそのホテルがいたく気に入ったのだ。
「ここにずっと住んでもいいな」90
そして彼はそのホテルに死ぬまで住んだ。ホテルの住人ディ=ステーファノ男爵である。
こうしたことからもわかるようにマフィアはこの島について語るうえで避けられないものだ。それはこの島の者が好むと好まざるに関わらず、だ。
そしてこの島にはエトナ山がある。火山である。ギリシア神話においては巨大な怪物テューポーンがそこに封じ込められているという。
そう、火山である。そして今この島はそのせいか異常に気温が高かった。連日うだるような暑さが続いた。
「この暑さは尋常じゃない」
島の者はそう思い調査を行った。だが火山には何ら異常はなかった。ただ地表が不自然なまでに熱かったのだ。
作物にも影響が出ていた。時として池が蒸発することすらあった。
「噴火の前触れか」
「それにしてはおかしい」
こうした話がされた。真相は誰にも掴めなかった。
「人間共にわかる筈がない」
百目タイタンはそれを聞きそう言って笑った。
「この暑さが俺のせいだとは誰も思わないだろう」
彼の体内には八万度のマグマが流れていた。それが改造手術により数十倍にも高められているのだ。
その熱気が島を下から熱していたのだ。恐るべき力であった。
「ストロンガーよ、来るなら来い」
彼は指令室の椅子に座りながら言った。
「このマグマで焼き尽くしてくれるわ」
「フフフ、大した気合の入りようだな」
そこでシャドウが部屋に入って来た。
「だが少し熱くなり過ぎではないか。今からそれ程熱くなっても仕方なかろう」
「ふん」
タイタンはそれを聞き鼻で笑った。
「それは貴様とて同じだろう」
そう言って反論した。
「何処がだ」
シャドウはそれに対して澄ました様子で返した。
「貴様の手にあるのは何だ」
タイタンはシャドウが手で弄ぶカードを指差した。
「それここが貴様が今戦いを待ち望んでいる証拠だ」
「確かに」
シャドウは戦いを前にすると興奮を抑える為手でカードを弄ぶ。タイタンはそれをよく知っていた。
「どうやら隠していても仕方ないらしいな」
「俺に隠し事は通用しないとわかっていないようだな」
「そういうつもりはないが」
シャドウはそう言うとカードを収めた。
「さて」
彼はここでタイタンに歩み寄った。
「これからは俺と貴様の勝負だな」
「どちらが先にあの男を倒すか、か」
「そうだ。遂にこの時が来た」
シャドウの声は先程のそれとはうって変わって
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