絶望の運命
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うか、ではやれるのだな」
「当然だ」
死神博士は不敵に笑った。薄い唇に自信が満ちる。
「ではとくと見せてやろう。我が技術の粋をな」
それから数日死神博士は格納庫から出て来なかった。他の者の立ち入りは一切許されなかった。
「恐るべきプロフェッショナルの意識ですね」
指令室で戦闘員の一人がメガール将軍に対して言った。
「うむ。伊達にショッカーで最高の頭脳と謳われたわけではない」
将軍も彼には一目置いていた。
「いいか、決して邪魔はするなよ」
そして周りの部下達にこう言った。
「死神博士は誇り高い。もしそんなことをすれば・・・・・・。わかっているな」
「はい」
彼等はそれを聞き顔を一瞬青くさせた。死神博士は冷酷非情なことでも知られているからだ。
誰も格納庫には近寄ろうとしなかった。そしてそこからまた数日が経った。
「終わったぞ」
死神博士が指令室にやって来た。その顔は格納庫に篭る前と何ら変わってはいなかった。だが表情は自信に満ちたものであった。
「そうか」
将軍はそれを聞き頷いた。
「では見せてもらおう」
「うむ、とくと見るがいい」
今度は死神博士が案内した。そして二人は格納庫へ向かった。
「これだ」
そして博士は基地の中の火の車を指差した。
見たところ外見には何羅変わったところはない。
「外見ではない、見るところは」
博士は将軍の次の言葉を見透かしたように言った。
「念じてみよ。飛べと」
「うむ」
将軍は死神博士に言われ試しに念じてみた。
すると火の車が宙に浮いた。
「おお」
将軍はそれを見て思わず声をあげた。
「それでKではない。撃てと念じてみよ」
言われるままに念じてみた。すると竜の目から黒い光が放たれた。
「時空破断システムを竜の目においたのだ。どうだ、いいだろう」
「うむ、まさかこれ程までのものにしてくれるとは」
将軍は満足したように言った。
「これなら文句はあるまい」
博士はやはり自信に満ちた笑みを浮かべた。
「それどころではない。有り難く礼を言わせてもらう」
「礼はいい。当然のことだからな」
彼にとっては開発も改造も自然なことであった。息を吸うようなものである。
「わしの望みは一つだ。これでアメリカを、スーパー1を倒すがいい」
「わかった」
将軍は頷いた。
「喜んで使わせてもらおう」
「それでいい。では健闘を期待するぞ」
「うむ」
死神博士は踵を返した。そして格納庫から姿を消した。
将軍は暫く格納庫に残っていた。そして火の車のテストを繰り返していた。
「将軍」
そこにあの五人がやって来た。
「御前達か」
彼は五人に顔を向けた。
「見よ、これが死神博士の改造した火の車だ」
彼はそれを指差し
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