絶望の運命
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将軍は彼等に顔を向けた。
「この戦いは生きて帰れる保証はないぞ」
「それがバダンの戦い」
五人はそれに対して言った。
「我等とてそれは承知しております」
「そうか」
将軍の顔は変わらなかった。だが声は変わっていた。
「是非ともお供を。そしてスーパー1を共に倒しましょうぞ」
「そなた達には別の作戦を執ってもらいたかったのだが」
「それは問題ない」
ここで後ろから声がした。
「お主は」
見ればそこに死神博士がいた。
「スペインにいた筈ではなかったのか」
「興味深い話を聞いたのでな」
彼は科学者特有の冷徹な目でメガール将軍を見た。
「興味深い話?」
「そうだ。お主が使っている機械だ」
「あれか」
「そうだ。一度見たいと思ってな」
彼はそれ以上は語らなかった。
「よいか」
「どうせ断っても無理に見るつもりであろう。構わん」
「ふふふ、恩に着る」
彼は前に出た。そして将軍と共にシャッターの向こうの通路を進んだ。
「聞いたところによると古代中国の破壊兵器だそうだな」
「うむ。マタギの里である山彦村に隠されていた」
「その経緯は知っている。それにしてもよく残っていたものだ」
「だから我等も利用したのだ。一度はスーパー1に破壊されたがな」
後ろにはあの五人が続く。戦闘員達もだ。
やがて格納庫に辿り着いた。
「ここだ」
将軍は扉を開けた。
「済まんな」
死神博士はその扉をくぐった。そして将軍と五人が続く。戦闘員の最後の一人が閉めた。
中には一機だけ置かれていた。龍の首を持つ巨大な円盤だ。
「ほう」
博士はそれを見てまず声をあげた。
「見事なものだな」
「お主もそう思うか」
「うむ。これだとこのニューオーリンズは楽に破壊できる。だが」
「だが!?」
「アメリカ全土を瞬時となると難しいな」
「そうか」
将軍はそれを聞き目を少し暗くさせた。
「時空破断システムを搭載していないな」
「わかるか。装填には成功していない。思ったより扱いにくくてな」
「そうか。では力を貸してやろうか」
「力を!?」
「そうだ。ことと次第によってはお主の作戦もかなり変わるぞ」
実は彼はこれに乗りスーパー1ごとニューオーリンズを焼き払うつもりだったのだ。
当然スーパー1はここに乗り込んでくるだろう。その時はこの兵器ごと自爆するつもりであった。五人には別に作戦を執ってもらい、後を託すつもりだったのだ。
「まずはこれに時空破断システムを搭載する。そして無人飛行が可能なようにする」
「そんなことができるのか」
「私を誰だと思っている」
死神博士は自信に満ちた声で言った。
「死神博士だぞ」
それだけで充分であった。彼の名はバダンにおいては権威そのものであった。
「そ
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