絶望の運命
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その話を聞いていた。
「立派な最後だったそうです」
戦闘員は敬礼して報告を続けた。
「そうか」
彼はそれを車椅子に座って聞いていた。
「惜しい男だったが」
そして少し上を見た。
「だが最後まで思う存分戦うことができたのだ。悔いはあるまい」
「はい」
その戦闘員は静かにそう答えた。
「あの男は自分の望む通りの最後を迎えた。思えば幸せな男だ」
「そうでしょうか」
戦闘員はその言葉に思わず問うた。彼もメガール将軍のことは知っているからだ。
「人の一生は最後で決まる」
博士はそんな彼を評するように言った。
「あの男の最後はそれをよく語っていた。そう」
彼は車椅子から立った。
「私もそうだ。そう、この街で生まれ、また帰ってきた」
「はい」
戦闘員はその言葉に応えた。
「それが何を意味するか、わかるだろう。すぐにな」
思わせぶりな言葉であった。
「死神博士、そのお言葉は」
「ライダーの死を意味しているのだ」
不安になった戦闘員に対して不敵な笑みで返した。
「ライダーが死に、私がこの街でバダンの勝利を宣言するのだ。素晴らしいと思わんか」
「それはそうですが」
だがその戦闘員はまだ不安を拭えてはいなかった。
「心配無用だ。私には切り札がある」
「時空破断システムでしょうか」
「切り札は一つとは限らない」
彼はニヤリと笑った。
「そう、それは空にある」
彼は上を見上げた。そこにその切り札はあるのだ。
「待っておれ、ライダーよ」
まだその不敵な笑みをたたえていた。
「今度こそ貴様を葬ってやる」
彼の笑いは続いていた。そしてそれは闇に同化していった。
絶望の運命 完
2004・8・28
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