絶望の運命
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死神バッファローは上を見上げた。スーパー1はそこにいた。宙返りをしていた。
「これで決める!」
スーパー1は空中で構えをとった。
「スーパーライダァーーーーー」
そして空中で型をとる。
「月面キィーーーーーック!」
蹴りを放った。雷の様な速さで死神バッファローに急降下していく。
見えなくなった。それはまるで流星の様であった。
蹴りが死神バッファローの胸を直撃した。あまりもの速さの為かわすことはできなかった。
「グワアアッ!」
死神バッファローは叫び声をあげた。そして後ろの壁に叩き付けられた。
「これで決まりか」
スーパー1は着地して壁に叩き付けられた死神バッファローを見た。彼は身動き一つしていなかった。
「グググ・・・・・・」
だがそれは一瞬であった。彼は壁から出て来た。
「やはりな」
スーパー1はそれを見て身構えた。警戒は解いていない。
「安心しろ、スーパー1よ」
だが死神バッファローはそんな彼に対して言った。
「私はもう闘うことはできない。貴様の勝ちだ」
そしてゆっくりとメガール将軍の姿に戻ってきた。
メガール将軍は壁の前に立った。その全身からは血が噴き出していたがそれでも立っていた。
「見事な蹴りだった。私でもあれはかわすことができなかった」
「そうか」
スーパー1はそれを静かに聞いていた。
「褒めてやろう、スーパー1よ。貴様は私が今まで合った中で最高の戦士だ」
「礼を言う」
彼は素直にそう応えた。
「その最高の戦士と拳を心ゆくまで交えることができた。最早思い残すことはない」
その表情は死ぬ前にしては不思議な程清々しかった。
彼はその場を動かなかった。だがその顔はスーパー1から離れなかった。
「かってはこの身体に絶望したが今は違う。貴様と闘うことができたのだからな、最後まで」
「メガール将軍」
「貴様を倒すことができなかったことは心残りだがそんなことは最早どうでもいい。さらばだ」
そう言うと最後に笑った。
「生まれ変わりまた会おうぞ。その時はまた拳を交えよう!」
それが最後の言葉だった。彼は爆発の中に消えていった。
「メガール将軍」
スーパー1はそれを感慨深げに見ていた。爆発の煙も炎も消えその後には何も残ってはいなかった。
「見事な男だった。そして」
彼は言葉を続けた。
「生まれ変わりまた会う日を楽しみにしている。貴様と拳を交えるその日をな」
そして彼はその場から背を向けた。隣に佐久間がやって来た。
「お見事でした」
それだけであった。他には何も言わなかった。
「有り難う」
スーパー1もそう言っただけであった。そして二人はニューオーリンズを後にした。
「メガール将軍は死んだか」
死神博士は自分の部屋で
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